メンズドレス系が好きな人たちのオフ会「背広散歩」:主催者が込めた思い
おしゃれの一環として、スーツを楽しむ場
ー「背広散歩」とは、どのようなイベントですか。 昔からおしゃれをして遊びに行く場所を作りたいよねっていうのが、メンズドレス系のメディアやショップは口を揃えて言っていました。何かいいアイディアはないかと考えていたなかで、2018年に台湾のスーツウォーク[1]に参加しました。 みんながスーツを着て集まって楽しんでいる姿に圧倒されてしまい、それが脳裏に焼き付いていました。それから数年後に同業他社の方々が集まる飲み会で「これを日本でやろうよ」と仲間たちと団結したのをいまでも覚えています。 ですから、「背広散歩」はメンズドレス系が好きな人たちのオフ会なんです。自由にファッションを語れる場を作りたかったし、自分たちが楽しむ以上に、日本のメンズドレス業界を盛り上げたいという思いがありました。 ースーツを着ていく場は、どうしても堅苦しいイメージがありますね。 雑誌やブランドさんが開催するイベントは数多くありますが、コマーシャル的な側面もあって、純粋には楽しめないんですよね。「いつかはうちのブランドの服を買ってね」みたいな意図が見えてしまうと、イベントへの参加を躊躇してしまいます。 また、イベントでなくともスーツを着ていく場所というと、おしゃれなバーで葉巻を吸うといったちょっと現実離れしたイメージを持たれる方が多いと思います。そういうのも払拭したかったですね。
ー他のイベントと比較して、「背広散歩」の魅力はどこにありますか。 皆さんそれぞれ趣味をお持ちですよね。野球が好きだったり、登山が好きだったり。それと同じで、僕たちはメンズドレスが好きなんです。 ところが他の趣味と違って、学校や会社の中でメンズドレス好きを探すのは、結構大変なんですね。でも、ここにはメンズドレスをはじめファッションが好きな人たちが集まりますから、横のつながりを作るにはもってこいの場所だと思います。 ー今年(2024年)で4回目の開催ですが、参加者や雰囲気の変化はどのように感じていますか。 これまで東京と大阪で開催してきましたが、運営側が情報を発信して集まってもらったという印象です。ですが、今回の浅草での開催は、これまでとはまったく違う様相でした。 過去に参加した人たちがすでに仲良くなっていて、お互いに誘い合って集まってきてくれたんですね。 いままで縁もゆかりもなかった人たちですよ?この姿を見て、今後は僕らが運営をしなくても、自走していくコミュニティに成長したと感じました。