『ぷよぷよ』から『はぁって言うゲーム』まで。名作を生むゲーム作家、米光一成の仕事術【HOW I WORK】
敏腕クリエイターやビジネスパーソンに仕事術を学ぶ「HOW I WORK」シリーズ。 今回お話を伺ったのは、ゲーム作家でデジタルハリウッド大学大学院の教授も務める米光一成さんです。 米光一成 広島県生まれ。大学卒業後の1987年、ゲームソフトメーカーのコンパイルに入社。『魔導物語』や『ぷよぷよ』など、歴史的な名作をプロデュース。21世紀に入ってフリーランスとなり、非電源ゲームの開発に主軸を移す。カードゲームの『はぁって言うゲーム』(幻冬舎)シリーズは100万部を超える大ヒット。同社からは『あいうえバトル』もリリースし、こちらも好評を博す。そのほか、『負けるな一茶』など個人出版も旺盛に取り組む。著書に『思考ツールとしてのタロット』(銀河企画)や『人生が変わるゲームのつくりかた』(筑摩書房)などがある。 note / X ゲームの開発という、きわめてクリエイティブな能力を要求される仕事を、1人でどうこなしているのでしょうか。 そこで今回、米光さんの考える習慣からアイデアの作り方まで、ゲーム作家の仕事術に迫ります。
米光一成さんの一問一答
氏名:米光一成 職業:ゲーム作家、デジタルハリウッド大学教授、著述家 居住地:東京都 現在のコンピュータ:Windows 現在のモバイル:iPhone 現在のノートとペン:Miffy DATE BOOK、PIGMA0.5&0.1 仕事スタイルを一言でいうと:エンジョイ派
複数の仕事を兼業しながらゲームを構想し続ける
──現在は、どのようなお仕事をなさっていますか? ゲームを作ってます。ゲームのことを考えて作る、考えて作るですね。 カードゲームやボードゲームは、プロトタイプを作る時間がそこまで長くかからない。1日で作れることもある。プロトタイプを作ったら、すぐ遊んでブラッシュアップして、の繰り返しです。 日本最大のボード&カードゲームの見本市「ゲームマーケット」が、東京で年に2回あるので、たいていはインディーズで出します。そこで気に入ってもらえたら商業版が出る、っていうが流れが多いです。 次の「ゲームマーケット」は11月16日、17日。『ジャーナリング・オブ・ザ・デッド』という新作を出します。ゾンビに満ちた世界で日記を書き、プレイヤーが物語を作っていくエモいストーリーメイクゲームです。 ──ジャンルに縛られず、さまざまなゲームを作っているんですね! コンピューターゲームも作ってます。 たとえば、35年前に作ったゲームの最新版『魔導物語 フィアと不思議な学校』が今度出るんですよ。その世界観の監修を担当しました。 マガジンハウスの「GINZA WEB」で、手軽に遊べる『ことば探偵』というパズルゲームも作りました。 水曜と木曜日は、デジタルハリウッド大学と大学院で教鞭を執っています。 さらに、いくつかの媒体で記事を書いています。たとえば、早川書房の『ミステリーマガジン』という雑誌に、ゲームの紹介記事を連載するのもその一つです。 ゲーム以外のこうした仕事を収入の基盤にして、波があるけれどゲーム制作をやっていくスタイルを続けています。