『ぷよぷよ』から『はぁって言うゲーム』まで。名作を生むゲーム作家、米光一成の仕事術【HOW I WORK】
「考える習慣」が仕事の苦労を軽減する
──ゲームの制作で、どんな時にやりがいを一番感じますか? 逆に一番苦労することはなんでしょうか? やはり、「これはおもしろくなるぞ」って思えるプロトタイプをつくってるときや、遊んでブラッシュアップしているときは楽しいですね。 その段階から、商品化するまでの過程は、どれもやりがいがあります。 もちろん、行き詰って「たいへんだー」と思うこともあるけど。改良してもしても、うまくいかなくて、「うううう」となることもある。 ただ、「こんなゲームどうだろう」「こうしたらどうだ」って試行錯誤することが楽しいんですよね。 そもそも、嫌なことはできない性分なので、嫌なことは辞めて、いま自由に作れる環境ができているんですよね。どんどん、新しい楽しいことにチャレンジしていきたい。
アイデアが思い浮かんだら、とにかくメモする
──仕事にプラスになるなと実感している習慣はありますか? メモの力をあなどるな、ですね。思いついたことは、とにかくメモをとります。 メモした情報カードは、壁に貼っておきます。壁だけでなく、ポストカードを飾るシートに入れて壁にはったり、デスクにマグネットで固定しておいたり、静電気でメモが貼れる「電子吸着ボード」に留めたりします。 そうやって、日々ちょっと目に入るようにしておいて、アイデアを毎日少しずつ発酵させていく。 アイデアは、時間をとってしっかり考えたって、出ないときは出ない。なので、日々ちょっとずつ育て、脳の中にアイデアの森を作っておくと、楽ですよ。 ちなみに、移動中にふと思いついたときは、スマホのアプリにメモしますが、帰宅してから必ず紙に書き移します。アプリだと、ふと目に入る感じで見返すのが難しいからです。
個人的な課題は日常の生活リズムの確立
──逆に、改善したいと考える悪い習慣はありますか? ゲームの制作に熱中すると、寝る時間も忘れてしまいます。そのせいで、就寝時間も起床時間もバラバラで、日々の生活リズムがないことが問題です。 最近は体力の低下もあり、運動も取り入れて、多少は規則正しい生活をしないといけないな、と実感しています。