そりゃ辞めるわ…部下がポロポロ離職する上司が無意識に言っている「NGワード」とは?
多くのリーダーを悩ませる問題の一つが、メンバーの離職です。“受付嬢”として、経営者として、さまざまな組織を見てきた私は、人がどんどん離れていくチーム、そしてメンバーが生き生きと働き、離職率の低いチームにはそれぞれ共通点があると感じています。(RECEPTIONIST代表 橋本真里子) ● どんどん人が辞めていくチーム 上司にある問題点とは? 経営者になった今、一番と言っても過言ではないほど恐れているのが、「部下の離職」です。スタートアップでは、一定数メンバーが入れ替わることは“新陳代謝”と捉えられますが、とはいえ、想いを持って育ててきたメンバーや活躍してくれているメンバーの退職相談はつらいものです。 今回は、私が受付嬢時代から会社を経営する立場になって見てきた、「離職率の高いチームリーダーの共通点」についてお話ししたいと思います。 ● 絶対になってはいけない 「お天気上司」 女心(男心)と秋の空――。これは、秋の空が変わりやすいように人の心情も変わりやすい様を表現した言葉です。恋愛にまつわる場面をイメージしがちですが、ビジネスシーンでも、当てはまることがあります。 部下が辞めていくチームの共通点、それは“お天気上司”です。「今日は晴れ?曇り?雨?」というように、毎日機嫌が変わる人、皆さんの周りにもいませんか? こういう人が上司の場合、本当に部下はついてきません。 「今日のAさん、お天気どうだった?」 これは、受付嬢時代、とあるマネジャーにつく女性社員とはよくこんな話をしていました。 上司のAさんは日によって、いやタイミングによって、かなり感情の起伏が激しいようで、部下のメンバーの皆さんはその時々のAさんの機嫌に怯えながら仕事をしていたのです。
会議が終わって、受付に会議室の利用札を返却にくるタイミングでよく、「今日はどうだった?」と話しました。 「今日は秋晴れだったよ」や「今日は大荒れでしたわ……」と、受付の私に話すことで“ネタ”として彼女は切り替えていたようですが、他のメンバーが疲弊していく姿には真剣に悩んでいました。 いい人が採用できたと思っても、定着せず、また新しい人の採用をしなければならない……。メンバーが安定しないと、仕事も任せられないので、彼女の仕事は増える一方でした。 直属の上司がこの状況だと、「あなたの機嫌が悪くて困っています」なんて相談ができません。本気で受付に相談に来るようなこともあったので、部下からの信頼も厚い別の部署のマネジャーに相談してみてはどうかと、アドバイスをしたこともありました。 それをきっかけに役員から注意され、一時的には改善したようですが、人間そう簡単には変われません。また「告げ口された」という感情も生まれ、チーム内の雰囲気はより険悪になってしまいました。 結局、メンバーは全員辞めることとなり、そのチーム自体が解散となりました。 大手企業であれば、一部署が解散になっても異動ができたり、他の部署で業務を巻き取れたりするかもしれません。しかし、スタートアップで同じことが起きてしまうと、影響は比になりません。 接客業で学ぶ「いつでも笑顔で、公平に接する」というスタンスは、どんな仕事をする上でも非常に重要なことなのだと感じさせられた出来事でした。