『ぷよぷよ』から『はぁって言うゲーム』まで。名作を生むゲーム作家、米光一成の仕事術【HOW I WORK】
本好きになる原体験は学生時代に没頭した小説
──これまで読んだなかで、ご自身の人生に大きな影響を与えた本はなんでしょう? 大学生の時、その日はテストがあったのですが、時間を間違えて2時間ぐらい前に大学に着いたんですね。 試験前の勉強をしようと思って、学内の図書館でたまたま目に入った『群像』という文芸誌をパラパラっと見てたら、新人文学賞を受賞した伊井直行さんの『草のかんむり』が掲載されていて。 何の気なしに読みはじめたら夢中になってしまい、気づいたらテストが終わってたんです。 単位を落としてしまいましたが、時間も忘れるぐらい集中して読んだ経験は、衝撃的でしたね。 今も本が好きなのは、その体験が大きいです。
純粋におもしろいかという視点が重要
──最後に、仕事の哲学あるいは流儀として堅持していることを教えてください。 自分がおもしろくて、ほかの人たちもおもろい。そんな作品を生み出すよう心がけています。 「こうすれば売れるだろう。褒めてもらえるだろう」という発想だと、邪念が邪魔してつまらない。 「こんなのができたらおもしろいじゃん!」という初期衝動を濁さないよう心がけています。 How I Workをもっと読む>> Image: 本人提供
鈴木拓也