慶應大の総合型選抜の対策とは? 日吉キャンパスのワークショップでは、高2までの活動実績が重要と分析
自分の関心事を引き出していく
慶應生たちのプレゼンテーションが終わると、山永さんからこの日のワークの説明がされる。城山さんは高校生時代に「どうしたら中高生と大人がお互いの意見をきちんと交換できるか。そのためにメディアをどう活用すればよいのか」という「問い」を見つけた。この「自分の問い」を見つけるのが、今回のワークショップで行うワークだ。 参加者はまだ自分が何を社会問題として捉え、何を課題解決したいのかはわからないはずなので、まずは小さな興味から発見していこうという試みだ。ワークシートに自分の関心事や自分の活動を書き、それに関連するキーワードを並べていく。なかなか出てこない場合はネットの関連検索機能も利用する。 例えば、ある参加者は学童ボランティアに参加し、さまざまな子どもに関する情報が入ってくるため、最初に軸として「子ども」というキーワードを書き、人権や学童、メディアなどのワードを書き込んでいく。 ある参加者が「歌舞伎町のトー横キッズがメディアに取り上げられると、さらに子どもたちが集まってくる。危険もあるわけで、どうにかならないか」と言うと、「だからといって情報を遮断することは、報道の自由や情報を得る権利の侵害になるよね」と大学生たちが意見を出し、そういった会話によって受験生は発想を広げていく。次にそのキーワードから疑問文を作っていく。その際にChatGPTを利用する方法も紹介する。 ワーク終了時に山永さんが対策のスケジュールを話した。高校1年次は幅広い活動を行い、自分の興味を探していき、高校2年次は少しずつ明らかになっていく興味に沿って、研究テーマにつながる活動実績を作り、高校3年次はこれまでの活動実績を出願書類に落とし込んでいく。 この一連の流れを経て総合型選抜に挑戦することで、多面的なものの見方や考えを言葉にする力を身につけ、将来を描くことができる学びを習得していく。総合型選抜を目指す意義を提示したところでワークショップは終了した。