全米メディアと指揮官が”死角”を克服して今季8号を放った大谷翔平の「修正力」を絶賛「本当に賢い」
エンゼルスの大谷翔平(26)が4月30日(日本時間5月1日)、敵地のシアトルで行われたマリナーズ戦に「2番DH」で出場し3回の第2打席で8号ソロをマークした。大リーグ公式サイトによると投手として先発した同じ月で8本以上の本塁打を放ったのは、ベーブ・ルース以来、2人目の快挙。ちなみにベーブ・ルースは、この偉業に1918年から21年まで4度達成しているという。昨季は44試合で7本だったが、今季は23試合目で超え、本塁打争いでは、レッドソックスのJ.D・マルチネスの9本に次ぐ2位タイのポジションをキープしている。エンゼルスは4-7で敗れたが、全米メディアは、苦手のチェンジアップを捉えた大谷の修正力を絶賛した。
6球連続のチェンジアップに対処
同点で迎えた3回一死だった。大谷はマリナーズの先発右腕、クリス・フレクセンが外角低めに投じたチェンジアップを見送った。第1打席も4球連続でチェンジアップで攻められレフトフライに終わっていた。これで5球連続である。この試合までの球種別の打率でチェンジアップに対しては.200。データは、そこが大谷の死角とあぶり出していた。 だが、6度も同じ手ではやられない。続く2球目もチェンジアップ。大谷は体勢を崩され、バットの先だったが、すくいあげた打球は、快音を残してライトスタンドの最前列に飛び込んだ。 ロサンゼルスタイムズ紙はエンゼルスの敗戦を伝える記事の中で大谷の8号について「大谷が8号のために修正した」と触れ、チェンジアップに対応した修正力を称賛した。 「各チームは、打撃で(4月に)猛烈なスタートを切ったこの二刀流スターに対してさらに多くの変化球、特にチェンジアップを試すようになり始めた」とフレクセンの配球を紹介。 「これこそがフレクセンの攻略プランだった。1打席目はそれが機能(4球続けてチェンジアップ)し、大谷は1回表にレフトフライを打ち上げる前に2度チェンジアップを空振りした。大谷の次の打席でも彼は再びチェンジアップに頼った。だが、今回はしっぺ返しを食らった。初球は低めに外れ、2球目はMLBの本塁打数でトップを走るレッドソックスのJ.D・マルチネスを追う2位に並ぶ8号となって右翼のフェンスを越えていった」と続けた。 またエンゼルスのジョー・マドン監督の「彼は試合で修正している。本当に賢い。本塁打すべては苦も無く打っているが、十分だ。それが彼のやっていることだ」との絶賛コメントも紹介されている。 地元のオレンジカウンティレジスター紙もフォーカスしたのは、この“死角”だったチェンジアップに対応した大谷の修正力だ。 「大谷は1回に(相手先発の)フレクセンからチェンジアップを4球投じられ、最後はレフトフライに終わった。彼は2打席目でさらに2球のチェンジアップを投げられ、後の球を叩いて364フィート(約110メートル)飛ばして本塁打とした」とレポートした。