【大学野球】92年春以来の1年生首位打者、歴代最高打率.535更新の期待高まる法大・熊谷陸
指揮官の教えを実践
【10月14日】東京六大学リーグ戦第5週 法大6-2東大(法大2勝1敗) 東京六大学リーグには「隠れ首位打者」がいる。法大の1年生・熊谷陸(花巻東高)だ。 今秋は開幕カードの立大1回戦を二番・二塁で初先発を遂げ、初安打を放った。立大3回戦は九番、2カード目の早大1回戦は八番で先発出場。そして、3カード目の東大1回戦では、開幕以来となる二番で起用された。 4安打をマークすると、翌日の2回戦でも4安打。さらに、3回戦でも3安打を記録した。法大は2勝1敗で、東大から勝ち点を挙げた。 3試合で11安打の固め打ち。「大島(公一)監督から逆方向に打つように指示を受けました。(右肩を)開かずに、ショートに打つイメージです」。11安打の内訳は、センターから逆方向が9安打。ボールに逆らわず、素直にバットを出す。法大グラウンドで積み上げた指揮官の教えを、神宮で実践している。 打率.560(25打数14安打)。法大は10試合を消化し、規定打席は31で、熊谷は8試合に出場して30打席に立った。二番打者で、第6週の慶大1回戦にも規定打席に到達する。 東京六大学における1年生首位打者は1992年春の早大・大森篤(天理高、元プリンスホテル)が最後である。さらには、慶大・喜多隆志(元ロッテ)が2001年秋に記録した歴代最高打率.535の更新への期待も高まる。そこで右腕エース・篠木健太郎(4年・木更津総合高)の「熊谷評」を思い出した。 「ゲームになったら頼りになるんですが、普段は抜けているところがあります。たまにボロが出ますが、カワイイ後輩です」 性格的に、プレッシャーとは無縁のはず。恐れるものは何もない。勝敗の責任は4年生が取ってくれるから、ノビノビと動くだけである。1年生らしく、積極的なプレーに集中。創設から99年の東京六大学に、1年生が新たな歴史を記すかもしれない。
週刊ベースボール