【甲子園熱戦レポート│12日目】「何を打ったか分からない」東海大相模の好投手・藤田を粉砕した関東第一の主砲・高橋の「意外すぎる一発」<SLUGGER>
「自分は打たせて取るタイプなんで、今日のような試合展開は別に気にならなかった。引っ掛けさせるつもりで投げたんですけど、狙いよりちょっと浮いた。それを高橋選手が思い切り引っ張りに入って持って行ったんで、相手の力が優ったと思う。チェンジアップを投げたことに関しては悔いはないです」 不思議な試合だった。 強打の東海大相模に対してどう関東第一が守っていくのかが試合のポイントだったが、結果的には関東第一が相手のお株を奪うような一打を見せるのだから、高校野球は面白い。 両監督の言葉が象徴的だった。 まず、東海大相模の原俊介監督。 「ホームランはきっちり当たれば打てますよ。その中でしっかりバットに当てた彼がすごい。それ以外ないですよ。。こういう試合展開の中でものすごい集中力といいスイングがマッチングして大事なホームランを打った。必死に振った結果ですよ」 一方、関東第一の米澤貴光監督は、打つのは高橋しかいなかったとこう話した。 「いろいろプレッシャーをかけていましたけど、塁に出ることが難しい試合。ただ、点を取るためにホームランは一つの手だと思いますし、(あの場面は)高橋が思いきっていくしかなかった。低反発バットでも当たれば飛ぶんですよね。次のステージからは木製になるので、『このままでは苦労するぞ』という話をしている中でしたから」 指揮官も予期していなかったまさかの一発。それでも、関東第一にとては最もホームランが期待できる選手であったのは間違いない事実である。 取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト) 【著者プロフィール】 うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園は通過点です』(新潮社)、『baseballアスリートたちの限界突破』(青志社)がある。ライターの傍ら、音声アプリ「Voicy」のパーソナリティーを務め、YouTubeチャンネルも開設している。
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