「プリスティン」「ナナミカ」がタッグを組んだ天然繊維100%のフリースとは
天然素材100%のリアルフリースにこだわるわけとは
原材料から、製造工程まで徹底的にこだわり、新たな技術が生まれ、伝承されていくことはすばらしいですが、そこまでしてリアルフリースにこだわるのは一体なぜなのでしょうか。 「マイクロプラスチックが海洋汚染につながるからです。繊維の中で生分解性の高いのがコットンです。ポリエステルは長期にわたって分解されません。そして、フリースは誰もが持っているアイテムで、家で洗濯していますよね。 日本人はきれい好きで、よく洗濯します。しかも、フリースは毛が抜けやすいです。すると、洗濯のたびにマイクロファイバーが流れ出し、小さいがために汚染処理場のフィルターも通り抜けて海へと流れていきます。それなら、生分解性の高いものでフリースを作ればいいねということになり開発しました。」(奥森さん) フリースにこだわったのは、多くの人が好むアイテムだからだったのですね。そして、ウールを使用したリアルフリースは、なんと家で洗えるのです。これは、助かりますね。 また、海洋汚染を少しでも減らすものづくりを研究するのは、地球温暖化の防止につながるからです。海洋の廃プラスチックが日射の影響や水中での劣化が進むと、メタンやエチレンという2種類の強力な温室効果ガスが放出されるという研究成果が、米ハワイ大学マノア校海洋地球科学技術学部の研究チームによって公表されました。そのことが、海を汚さないものづくりへの思いを強くしたといいます。
ダブルネームで登場のリアルフリース
今シーズン登場するリアルフリースアイテムは、コートとプルオーバーの2型です。デザインは、「ナナミカ」によるもの。ナナミカファンなら、「あれっ!」と思うかもしれません。というのも、昨シーズン、ナナミカからリアルフリース素材を使用したアイテムが登場していたからです。違っているのは、今シーズンはダブルネームで登場すること。 「プリスティンの考えに共鳴してくださって、今年はコラボという形で作りたいと、ナナミカさんからご提案いただきました」(奥森さん) 今までのプリスティンにはなかったデザインを見たいという思いと、ナナミカへのリスペクトから、デザインはお任せしたそう。ダブルネームのタグは、プリスティンのいつもの黒ではなく、ナナミカのネイビーになっています。 試着してみると、軽くて暖かい。プリスティンでは、今までなかったリバーシブル仕様など、コラボだからこそ生まれたデザインになっています。ほかにも「私たちには思いつかなかった」とプリスティンが表現した、こだわりが詰まったデザインのお話をナナミカに聞きに行きました。