僕は底抜けにポジティブ―『カムカムエヴリバディ』に出演する本郷奏多の生き方
芸歴20年のキャリアを持ち、現在NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』に出演している俳優の本郷奏多さん。忙しい俳優業のかたわら、いくつもの趣味に没頭し、自身で企画・編集した動画をYouTubeチャンネルで公開するなど精力的に活動する。ドラマや映画の撮影に追われる中で、自分の時間をどう確保し、大事にしているのか。そこには、幼少の頃から芸能界で培ったポジティブ思考の原点があった。今回、「ほとんど落ち込むことがない」と言う本郷奏多さんに何事にもポジティブになれる理由について聞いた。(Yahoo!ニュースVoice)
芸歴20年のキャリアで得た合理的な思考
――本郷さんは幼少の頃から芸能のお仕事をされていますが、20年という長い俳優業を振り返ってみて思うことを教えてください。 本郷: 同世代の人たちより早く社会に出てお仕事をいただいていたことで、良い思いをしたこともあれば大変な思いをしたこともありました。でも、今となってはその経験はめちゃめちゃありがたいことだったと思っています。 現場でたくさんの大人たちを見てきました。いい大人は尊敬できるポイントがたくさんあるんです。そういう俳優の先輩や監督を見て、「あ、ここはカッコいいな。自分もこういう大人になりたいな」と見習ってきました。 “この人みたいになりたい”というポイントをたくさん集めることで、人格はどんどん形成されると思うのですが、僕はそういうこともあって10代のわりと早い頃から自分の考えを固めることができたんじゃないかなと思っています。 ――仕事を辞めて普通の学生生活を送りたいと思ったことはありませんでしたか? 本郷: 多分、辞めたいと思ったことは何度かあるんですよ。でも、今は辞めたいと思ったことすら忘れている。おそらく、お仕事をする中で素敵な体験をたくさんさせていただいて、得られたものも多いから。僕って合理的な考え方が好きで、常に物事を天秤にかけて選択しているんです。中学の時はみんなと同じように部活をやっていて、ソフトテニス部に入っていました。自分にテニスの才能があったらプロの選手になれるかもしれないけど、自分にはその才能はないことが分かりきっていた。「だったら今やらせてもらっているお仕事を頑張ろう」とすぐにシフトできましたね。