「心が渇いていた」鞘師里保がコロナ禍での楽曲制作で見つけたもの
一昨年に続き昨年も、新型コロナウイルスの影響で、誰もが人と会うことの難しさを経験しました。アーティスト・鞘師里保さんは「心が渇いていた」と、孤独を感じることがあったコロナ禍で、自分の時間の過ごし方を見直したと言います。改めて「普通に生活できることが当たり前じゃないんだ」と強く思った鞘師さんに、2021年を振り返ってもらい、今の心境を聞きました。(Yahoo!ニュースVoice)
コロナ禍で実感した「人に会える」ことの尊さ
――コロナ禍のアーティスト活動について話を聞かせてください。 コロナウイルスの影響が想像していた以上に大きくて、そして長くて。本当は、昨年のイベントは東京の他にも4か所(名古屋・大阪・広島・福岡)を回る予定だったのですが、中止になってしまったんです。中止の決定を聞いたときに、マネージャーの前で涙が抑えられなくなってしまいました。すごく楽しみにしていたので、率直に悲しかったです。 ライブが中止になってしまって孤独を感じましたし、いかに自分がファンの人たちによって作られているのかが分かり、ファンの人たちと会うことのできる時間をすごく尊く思うし、とても大事な時間に感じています。 ――孤独をどのように感じていましたか。 単純に私は、人に囲まれて自分の人生が豊かになっているのだということを実感したんです。なぜかというと、自粛期間中などで家に居る時間が多くなって気づいたのですが、自分が望まなければ本当に誰にも会わなくて済むんですよね。 だけどお家にいると、やっぱり寂しくなったり、オンラインの画面上で話していても、ただ打ち合わせをしただけなのに「あ、このまま雑談し続けたいな」って思うときもありました。 ――そんな孤独感とどのように向き合ったのでしょうか。 友人には積極的に連絡するようになりました。直接会うことができないから、元気にしているかを確認する頻度がすごく減ってしまったので、そこは大切にしていました。 ありきたりな言葉になってしまうんですけど、「普通に生活できることが当たり前じゃないんだ」と思いました。人と会えない時期は、心が渇いていたという感覚でした。連絡を取って返事が来たら、やっと心が少し潤う、そんな感じでしたね。