僕は底抜けにポジティブ―『カムカムエヴリバディ』に出演する本郷奏多の生き方
マイナスな感情は0秒で切り替える
――中学生の頃に、物事をそこまで合理的に考えられる人はそう多くないように思います。 本郷: 子どもの頃からこの業界にいて、仕事とプライベートを切り替える生活をしていたし、仕事を通していろんな大人を見てきた中で、自然とこういう合理的な考えになったのかもしれません。そのせいかマイナスな感情を抱いたり、落ち込んだりすることもほとんどありません。落ち込む時間をつくるくらいだったら、0秒で切り替えて次に向かった方が人生にとってプラスになると考えています。この生き方のベースは10代の頃から変わっていないと思います。 ――天秤にかけて合理的に考えるため落ち込まないとのことですが、それでも凹んでしまった時の乗り越え方を教えてください。 本郷: おそらく「自分の何かの力が足りなかったから失敗して凹んでいる」わけじゃないですか。その足りなかった部分を知れたということが大きなプラスになる。「これからそこを補う努力を始められるんだ」という考え方に変えれば、前進できるのではないでしょうか。 生活する中で、もちろん嫌だなと思う時はあります。その原因が自分にあるなら考え方を切り替えて前を向きます。原因が他人にあるんだったら、正直それはぶつけたくなるところなのですが、それをしてしまうと気持ちを切り替えるまでに非常に時間がかかってしまう。「ストレスがかかる人と今一緒にいる自分が悪いんですよ」という考え方に切り替えるようにしていますね。 おそらく生まれつき底抜けにポジティブなんだと思います。そこは愛情を注いで育ててくれた父と母に感謝ですね。
現場の“すきま時間”に全力で寝て、家に帰って“趣味の時間”にあてる
――多忙な中でも、きちんと趣味の時間をつくっているそうですが、どうやって「時間」を確保しているんですか? 本郷: 僕はオンオフをはっきりさせるタイプなので、例えば、現場で20分空き時間ができたらその20分は全力で寝ると決めているんです。そのすきま時間の20分が5回あれば100分ぶんの体力が残るじゃないですか。そこで、体力を回復させて家に帰って趣味の時間にあてています。 小さい頃から一人で遊ぶことも好きで、好奇心旺盛なんです。知らないことがあれば知りたいし、チャレンジしたことがないことがあればチャレンジしたい。できなかったことができるようになるってすごく楽しい。だから僕は多趣味なんだと思います。逆に言うと、突き詰めた趣味が一つも存在していなくて、広く浅くいろんなものを楽しんでいる感じです。趣味の中でもクリエイティブなモノ作りが特に好きですね。 ――ご自身のYouTubeチャンネル「本郷奏多の日常」に精力的に動画を公開されていますが、ネタに困ることはありませんか? 本郷: コロナ禍になって一旦全ての仕事がストップしてしまった時、1カ月以上家にいた時期があったので、時間がもったいないと思ってYouTubeを始めました。ちょうど、30歳になった記念で始めたという理由もあるのですが。 僕がオフの日に一人でやっているプラモデル作成やゲームなどをアップしているので、いつもやっていることをそのまま動画にして、僕の日常を視聴者の方と共にしている感覚です。 ――一人時間のつくり方や使い方が上手な本郷さんですが、大勢の人と集まるのは得意な方ですか? 本郷: 僕は友だちが多い方で、めちゃくちゃ社交的だと思います。それも同じ俳優業の友だちではなく、他業種の友だちが多いです。他業種の人の方が話を聞いていて面白くて。こんなご時世でなかなか会えませんが、本当に大切な友だちとは連絡を取り続けていますね。 でも、YouTubeの編集作業やガンプラ制作などをする時は人と一緒ではなく「ぼっち」の方が最大限のパフォーマンスを発揮できるので、一人でいたいです(笑)。