2月22日は「竹島の日」 竹島問題は今どうなっている?
日本と韓国の関係が冷え込むなか、再び「竹島問題」がクローズアップされています。2月22日は島根県が条例で「竹島の日」と定めた日で、日本政府は記念式典に政務3役の内閣府政務官を派遣すると発表しました。しかし、竹島を実効支配する韓国はこれを挑発行為と受け止め、日本政府に「竹島の日」の式典開催と政務官派遣の中止を要求するなど猛反発。日韓の亀裂がいっそう深まっているのです。 【図表】日韓関係をめぐる朴槿恵大統領の発言 とはいえ、島根県隠岐島の北西約160キロの日本海に浮かぶ竹島は、本州や朝鮮半島から200キロ以上も離れ、総面積は東京の日比谷公園ほどしかありませんが、周辺の海域は豊かな漁場としても知られています。その小さな島をめぐり、いったいなぜ日韓のあいだで問題になっているのでしょうか。
竹島をめぐる日本の立場と韓国の主張
特に大きいのは、韓国が竹島の問題を「歴史問題」として考えていることです。 竹島にはかつてアシカが多数生息し、隠岐島の人々が皮革をとるためにアシカ漁をしていました。そこで明治政府は1905年、この島がどこの国のものでもないことを確認したとして、島根県に編入することを閣議決定。翌年には島根県の調査団が韓国領の鬱陵島に立ち寄り、韓国側に竹島を島根県に編入したことを伝えました。それによって「国際法上も領有権を再確認した」というのが日本の立場です。 一方、韓国は「島根県への編入は侵奪行為で、国際法上も効力がない」と主張しています。竹島を島根県に編入した9か月後、日本は当時の大韓帝国の外交権を握り、5年後には日本の一部にしました。この「韓国併合」は敗戦まで続き、韓国はずっと日本の植民地でした。つまり、韓国にしてみれば「植民地支配の一環として、韓国の領土である独島(トクト)を奪われた」ということになるわけです。「国際法に基いて領有権を確認した」という日本の主張とは真っ向から対立しているのです。 こうした経緯から、戦後も竹島をめぐる日韓の争いが続きます。