中国ブランドシェア6割を突破の一方で、同質化が進む中国市場の最新事情
シャオミの雷軍会長に人だかり
2024年11月15日から、中国の広州モーターショーが開幕しました。海外からの注目度こそ隔年で行われる北京や上海のモーターショーに劣りますが、22万平方キロメートルの展示面積に1100台が並ぶ規模を誇ります。スマートフォンで有名なシャオミ(小米)や、ファーウェイ(華為)がセレスグループと開発するAITOなどの「新々勢力」ブランドが人気を博し、10月の乗用車販売では中国ブランドのシェアはついに65%に達しました。一方で、同じような半導体やソフトウェアを使い、デザインも似通ったものが増えて「スマホのように、外観と機能の違いはますます小さくなっている」という見方も出ています。そのあたりの動向を上海の自動車メディア「第一汽車頻道」の記事から紹介したいと思います。 【写真】中国のモーターショーで展示された新型車 2024年4月の北京モーターショーでも一番長い行列ができたのが初の自動車「SU7」を展示したシャオミのブースでしたが、今回もドイツのニュルブルクリンク北コースで、ポルシェ タイカンを上回る4ドア車世界最速タイムを記録した「SU7ウルトラ」を展示した同社のブースが一番の人気を集めたようです。SU7は2024年3月、発売から1時間で5万台の注文が入ったと話題になりましたが、その後も順調で今年12万台の販売を見込んでいます。 同社の雷軍(レイ・ジュン)会長の訪れるところには、ライブ配信するYouTubeなどで3重、4重の人垣ができ、運よくブースの訪問に預かったブランドは、雷軍氏の一口コメントをSNSで流すという人気タレントさながらの光景が展開されました。
新エネルギー車ブランドの人気ランキング
第一汽車頻道は、四半期ごとに新エネルギー車(NEV ※)ブランドの人気ランキングを発表しています。これは、販売台数に加えて報道影響力や都市部の浸透度などを加味して評価したもので、2024年第3四半期のトップは不動のBYD。これに続いてテスラ、EV中国御三家トップの理想汽車、シャオミ、AITO、ステランティスが資本出資した零砲(リープモーター)と続きます。7位は最近複数のNEVブランドを立ち上げた東風汽車、さらに吉利汽車傘下のプレミアムブランドで2025年日本進出を発表しているジーカー(Zeekr)、NIO(上海蔚来)、広州汽車のAIONが続きます。VWが資本出資したシャオペン(小鵬)は19位で、合弁系メーカー大手の上海VWは22位、一汽VWは30位と後塵を拝しています。 ※EV(電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、FCEV(燃料電池車)の総称 中国乗用車協会(CPCA)の発表によれば、2024年1~10月の中国ブランド車の販売シェアは59.7%に達し、合弁系海外ブランド(+高級輸入車)は40.3%まで減少しています。ちなみに2021年は、中国ブランド41.2%、合弁系海外ブランド45.6%、高級輸入車13.2%で、3年余りで約20%近いシェアの移動があったことになります。