中国ブランドシェア6割を突破の一方で、同質化が進む中国市場の最新事情
競争は中国の外に広がる
中国市場の過酷な競争を逃れて、欧州や東南アジア、南米など海外に活路を見出そうとしている中国メーカーの2024年の輸出台数は、2023年の500万台から2割以上増えそうです。 欧州は中国製EVに最大35.5%の追加関税を課しましたが、中国で合弁メーカーの中核技術を使うことを経験した海外メーカーは、今後は本国で開発する車両にも、中国発のアーキテクチャやソフトウェアを使用する可能性もあるでしょうし、少なくとも、これまでの規模の本国の開発体制は必要なくなると想像できます。 GMやステランティス、アウディなどのOEMや、ボッシュ、コンチネンタル、ZFなどの一次サプライヤーが相次いで千人単位の人員削減を発表しているのは、その動きが始まっていることの証左でしょう。北京で発表されたVWの「ID. CODE」は欧州でスタイリッシュなEVが人気のクプラ(Cupra)ブランドなどで販売しても良さそうですし、マツダも長安汽車と開発したEZ-6を欧州で販売することも検討しているようです。 ●著者プロフィール 丸田 靖生(まるた やすお)1960年山口県生まれ。京都大学卒業後、東洋工業(現マツダ)入社。海外広報課、北米マツダ(デトロイト事務所)駐在をへて、1996年に日本ゼネラルモーターズに転じ、サターンやオペルの広報・マーケティングに携わる。2004年から2021年まで、フォルクスワーゲングループジャパン、アウディジャパンの広報責任者を歴任。現在、広報・コミュニケーションコンサルタントとして活動中。著書に「広報の極意-混迷の時代にこそ広報が活躍できる」(2022年 ヴイツーソリューション)がある。