ヒオカ「親友のつき合いで、初めて合コンに参加した。無難な服に地味なメイク…自分の個性を薄める作業が必要だった」
◆自分を薄める感覚 そんなさまざまな感情があり、乗り気になれなかった合コンだが、親友のためと、これも人生経験!という思いから参加することにした。ドラマでよく見る、合コンの途中で女性同士がトイレに連れ立って行き、「ねぇだれがタイプ?」と男性陣の話で盛り上がるとか、ベタなシーンが思い浮かんだ。それは楽しそうだ。 この仕事をしていると家に引きこもる生活で、他業種の人と関わる機会もめったにない。女性たちと仲良くなれたらいいな。そう思い参加したが、最初から最後まで、なんだかとても虚しかった。 まず、身支度をする時間。私は普段、ゴテゴテの派手な格好が好きで、職業柄服装に縛りも一切ないので、とても自由な格好をしている。だからいわゆるコンサバな服をほとんど持っていないのだ。いかに自分のテンションがあがるか? という基準で服を選んでいるが、合コンは個性を出しに行く場ではない。いくら個性的など派手ファッションが好きとはいえ、TPOは重要。合コンに自分全開の格好で行ったら引かれるのがオチだろう。 男性が好きな女性って、SNIDELとかdazzlinみたいな、甘めで清楚な服を着ているんだろう。残念ながらその系統の服は持っていないから、クローゼットの中で一番着ていない、一番自分らしくない薄いピンクの無地の服を引っ張り出した。メイクも、普段は絶対にやらないあわめの色彩にした。それが最低限のマナーだと思うから。 パートナー探しって、ある程度自分というものをなくして、相手に合わせていく作業だと思う。生まれも育ちも何もかも違う赤の他人が共に人生を歩むのだから、折れたり、ひっこめたり、合わせたり、そういうことを繰り返していく必要があるんだと思う。 合コンっていうたった一つの行事を通しても、自分を薄める感覚というのを味わった。普段はいかに自分の本心に耳を傾け、感覚を研ぎ澄まし、自分というものを出していくか? だけど、ここでは真逆。自分を薄めて薄めて、薄めまくって。そんな時間が、本当に無駄だ、と思った。
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