ヒオカ「親友のつき合いで、初めて合コンに参加した。無難な服に地味なメイク…自分の個性を薄める作業が必要だった」
貧困家庭に生まれ、いじめや不登校を経験しながらも奨学金で高校、大学に進学、上京して書くという仕事についたヒオカさん。「無いものにされる痛みに想像力を」をモットーにライターとして活動をしている。第78回は「初めての合コン」です。 * * * * * * * ◆人生初の合コン 先日、人生で初めての合コンというものに参加した。 私の親友は元カレに酷いフラれ方をしてから1年以上マッチングアプリで彼氏探しをしているが、どれだけ色んな人と連絡をとって会ってもうまくいかず、もう諦めようか、と思い始めたようだ。仕事も上手くいっておらず、もう地元に帰ろうか、と言い出した。 親友はもともと結婚願望が強く、なおかつ子ども好きで、「子どもが欲しい」とずっと言っている。子どもを欲しいなどと思ったことが人生で一度もない私には、とても眩しく見えた。結婚願望も出産願望もあるのに、出会いがないがゆえにそれを果たせないなんて、社会の損失すぎる! そう思って、男友達や周囲の知人を親友に紹介するようになった。 そしてその親友から、合コンを開催するが人数が足りないので来て欲しいと言われた。 私はパートナーはおらず、一人は寂しいと思うが、かといってマッチングアプリなどに乗り気にもなれず、今日まで来てしまった。合コンも、正直行きたいとは思えない。
◆苦手な理由 なぜそういう場が苦手だと思うのかというと、男性から女性として品定めされることに恐れを感じるからだと思う。振り返れば、中学生の時、クラスの一軍女子たちにいじめの標的にされると、男子たちから「キモイ」とよく言われ、まるで毛虫でも見るような目で見られた。行事で男女ペアを作らないといけない時は、「あいつとはなりたくない」「罰ゲームじゃん」と陰口を叩かれた。子ども時代のことだから、いい加減忘れればいいのに。でも、子ども時代の心がまだ柔らかい時に植え付けられる感覚はとても鋭く、心にクッキリと痕を残す。そういった経験から、自分はうとましがられる存在なのだ、と強烈に思い込むようになった。 また、もうひとつこじらせているのが、男性はみな、たぬき顔の華奢な女の子が好きなのだろう、という思い込みだ。私はいわゆる男顔で、身長も170cmを超えており、モテるタイプと真逆だと思う。しかし、この話を友人すると、女性だってみんなマッチョが好きとは限らないように、男性だって色んな好みの人がいる、と諭された。 言われてみればそうだ。私はいわゆる女性ウケするタイプの男性が苦手だ。ムキムキのマッチョが苦手だし、男らしいワイルドさを「怖い」と感じてしまう。また、高身長の女性はコンプレックスが目立たないように高身長の男性を好むと聞くが、私は別に男性の身長は低くても高くてもどちらでもいいと思う。 だから、マッチョがモテの絶対条件! みたいな投稿がSNSで流れてくると、「苦手な人もいます」と言いたくなる。 それなのに、自分は男性はみんな同じタイプの女性が好きに違いない! と思ってしまうのは、決めつけが過ぎるのかもしれない。
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