こんな10円玉があるの!? 一見“偽物”のようにも見える10円玉が「6500倍」の価値に大化けしたワケ
普段使っている10円玉がもしかしたら数万円になる……なんて考えたことがない人も少なくないでしょう。ただ、2024年12月14日~12月15日に開催された、「第60回 日本コインオークション」では、現行の10円玉がまさかの「6万5000円」で落札されました。 【実際の画像】6万5000円に大化けした10円玉を見る 実に額面金額の6500倍で落札されたわけです。裏面だけ見るとなんてことはないどこにでもありそうな10円玉。しかしながら、表面に“とあるエラー”が生じたことで高額落札となりました。今回は、一見偽物と間違えそうなコインの中で、実はエラーコインであり、かつ高値となり得るコインについて解説します。
◆裏面は普通だが……
今回落札されたのは昭和48年の10円玉です。裏面(発行年のある側)はどこにでもある10円玉と何ら変わりません。何度か使われているのではないか?と使用感が見受けられるぐらいです。オークションページにも「上品/美品」とあり、未使用品とは異なります。 実はこの10円玉、“表面”にエラーが発生しているのです。 この10円玉、表面が捲(めく)れています。これは「捲れエラー」と呼ばれるものです。決して発行後に削ることでできたものではありません。偽物でもありません。製造時にできた捲れであると考えられます。つまり、ある種の不良品というわけ。“ヘゲエラー”とも呼ばれ、古いコインではたまに見受けられるエラーコインです。 今回の10円玉は大きく捲れています。つい剥がしたくなりますが、剥がしたら価値がガクンと下がってしまいます。こうした捲れエラーは、捲れ具合によって価格が異なり、一般的に、大きく捲れていたり、変わった捲れ方をしていればしているほど価値は高くなると考えられます。
◆最近のコインで捲れエラーがあればさらに高値となる可能性大
捲れエラーに限ったことではありませんが、通常、こうしたエラーコインは不良品の一種であるため、製造時に発見されれば回収されることになります。 しかしながら、時々発見されることなく市場に出回ることがあります。特に、昭和のコインはまだまだ今のような製造技術があったわけではないため、エラーコインが出回っている可能性は十分あるのです。 もしも、同じような捲れエラーが令和のコインから見つかったとなると、今回の10円玉以上の高値になることは間違いないでしょう。技術は進んだとはいえ、絶対にないとは限りません。 少しでも変だと思う貨幣があったら、偽物と疑うだけではなく、“エラーかもしれない”と疑ってみましょう。オークションに出品すれば、高額落札になるかもしれませんよ。 <参考> 第60回 日本コインオークション「日本 10円青銅貨 捲れエラー 昭和48年(1973) 4.49g 02-9」
▼伊藤 亮太プロフィール
慶應義塾大学大学院商学研究科修了。一般社団法人資産運用総合研究所代表理事。ファイナンシャルプランナーとして、家計・保険等の相談、執筆、講演、大学講師を主軸に活動。大学院時代の専門は社会保障で、経済・金融に関する解説も得意。コイン収集マニアの一面も。
伊藤 亮太(株式・ファイナンシャルプランナーガイド)