「まぐれにしては、おかしい」…分数の分母を素因数分解するとわかる「驚きの法則」があった! 「2」と「5」の約束に気づけるセンスで、数学は100倍楽しめる
整数÷整数が整数の範囲に収まる
分数は整数の商で表すことができる。たとえば,3/4は3÷4である。よって,有限小数に収まることは,割られる数に何回か10をかけて,整数÷整数が整数の範囲に収まることである。 たとえば1÷4なら,100÷4=25 であるため, 1/4=0.25 である。3÷8なら,3000÷8=375であるため,3/8=0.375である。 ここで,整数÷整数が整数の範囲で割り切れることについて,素因数分解を使って考えてみよう。 12÷4=3は割り切れる → (2²×3)÷(2²) 14÷4=3余り2で割り切れない → (2×7)÷(2²) 「割られる数の素因数」に「割る数の素因数」が含まれているかどうかで,整数÷整数が整数の範囲で割り切れるかどうかが決まる。
素因数としての「2と5」の意味
小数第1位で割り切れるということは,もとの割られる数に10をかけた数が整数の範囲で割り切れることである。 18÷12=1.5 → 180÷12=15 10 をかけるとは,素因数として2と5を増やすということである。 18÷12 → (2×3²)÷(2²×3) (割られる数を10倍する) → (2²×3²×5)÷(2²×3) とすると,素因数を割ってなくせる。 すなわち,答えが有限小数になるとは,割られる数に10を何回かかけた数が,割る数で割り切れるということになる。どんな割られる数に対しても,答えが有限小数になる数は,割る数が2と5のみを素因数にもつ数である。 したがって,32=2⁵,640=2⁷×5,1250=2×5⁴などは,どんな数が分子でも有限小数で表される。 1/32=0.03125,5/32=0.15625,13/32=0.40625 1/640=0.0015625,7/640=0.0109375,137/640=0.2140625 1/1250 0.0008,13/1250=0.0104,503/1250=0.4024 さらに考察を続けよう。