存続か、除外か?ガッツ、高山らが東京五輪ボクシング存続へ45万人署名でアピール!
東京五輪での除外危機にあるボクシング競技の存続に向けての署名活動及び決起大会が29日、東京墨田区の東京スカイツリーで行われた。主催したのは東京五輪でボクシング会場となる両国国技館の所在地、墨田区で日本ボクシング連盟が共催という形で参加。元世界ミニマム級の4団体王者で五輪出場を目指す高山勝成(35、名古屋産大)、リオ五輪代表の成松大介(28、自衛隊)らが街頭に立ち声をからした。 イベントでは元WBC世界ライト級王者のガッツ石松氏(69)も参加して決起大会を盛り上げた。 この日までに墨田区の2万1000人分を含む、45万3342人分の存続を願う署名が集まり、IOC(国際オリンピック委員会)関係者に開催地の世論を示すメッセージとして報告された。 今日30日、IOCの理事会が都内で開かれ、ボクシング競技の存続問題が審議される。条件付きでの存続の方向が模索されるという見通しもあるようだが、果たして……。 幼少の頃、墨田区に住んでいたマンガ家、ちばてつや氏が描いた「あしたのジョー」の旗を持って鉢巻、ハッピ姿の山本亨区長が威勢のいい声を上げた。 「もしかしたらボクシングが外されるという示唆をいただき、区民の皆さんからも“やるのか、どうなの?”と心配の声が届いています。オール墨田で盛り上がり、その思いが届き、存続決定となるような決起集会にしたい」 墨田区で、唯一開催予定の五輪競技が両国国技館で行われるボクシング。そのボクシングが存続できないとなると墨田区にとっても一大事だが、切実な危機感を抱いているのはボクシング界だ。 アマチュアボクシング界の“ドン”だった山根明前会長の不正を追及して、新体制に刷新した日本連盟だが、その再スタートで五輪競技から外れるとなると先行きは険しくなる。 この日の決起大会には、日本連盟の内田貞信会長、菊池浩吉副会長だけでなく、過去に五輪出場経験のある9人のオリンピアンが出席。 リオ五輪代表で、先日行われた全日本選手権でも連覇、東京五輪代表の有力候補である成松も、「私にとって五輪は最高の舞台。世界中が注目し、どんな大会でも味わうことができないものがある。もし存続が決定したら、全力で出場権を取りにいって金メダルを獲得し、応援、サポートしてくれた人に喜んでもらいたい」と切実な思いを吐露した。 成松は、JSC(日本スポーツ振興センター)からの補助金を山根前会長の指示で、他2選手に分配するという不正を行った一人で、その行為を悔い、実名を明らかにして、告発に協力していた。 また2016年のユース世界選手権で優勝。東京五輪のメダル候補として期待されている堤駿斗(19、東洋大)も、先の全日本で骨折した右手にギプスをしたまま参加し、「東京五輪の存続が決まりましたら、金メダルを取って、国民の皆さん、関係者の皆さんへ感謝の気持ちを持って恩返しできるように頑張りたい」と誓った。