ロッテ鳥谷敬が引退発表…あの日語った切実な言葉と虎OBからの「指導者として阪神に戻せ」の声
ロッテの鳥谷敬(40)の今季限りでの現役引退が31日、球団から発表された。鳥谷は、この日、球団に引退の意向を申し入れ、阪神で16年、ロッテで2年を過ごした現役生活にピリオドを打った。2019年に阪神から“引退勧告”を突きつけられた鳥谷は、「納得できる形で野球人生を終えたい」と現役続行を選択。2020年3月のキャンプ終了後にロッテと契約した。今季は32試合に出場し61打席で9安打、2打点、打率.170の成績に終わり、7月以降は1軍昇格はなく優勝争いには参加できていなかった。パ・リーグの野球を知り、野球人としての幅を広げた鳥谷には、指導者としてのセカンドキャリアへ期待が寄せられている。
「感謝の気持ちで一杯」
謙虚で誠実な鳥谷らしい引き際だったのかもしれない。この日、引退を申し入れた鳥谷は、球団を通じて以下のコメントを発表した。 「阪神で16年、ロッテで2年。色々な人と出会い、色々な人に支えていただき、ここまで現役をすることができました。今は感謝の気持ちで一杯です。今シーズン、チームが調子のいい時も悪い時もあった中で、力になることができず、ユニホームを脱ぐことを決断しました。チームがまだ日本一を目指している時期に個人的な事を発表させていただき申し訳ありませんが、ご報告をさせていただきます。この18年間は苦しい時もありましたし、いい時もありました。その時間すべては周りの人の支えがあってのものです。皆さまの支えと応援のおかげで試合に出続けることができて、プロ野球選手 鳥谷敬の形を作れたのだと思います。感謝しかありません。18年間ありがとうございました」 今季チームは先にVマジックを点灯させたが、残り3試合で3勝、あるいは2勝1分けしなければならないという厳しい条件下で27日の楽天戦に敗れてオリックスに優勝をさらわれた。6日からは“下剋上“日本一を狙うクライマックスシリーズが控えているため、その前のタイミングでの引退発表を「申し訳ない」と気遣いするところが、いかにも鳥谷らしい。 2019年8月末に、突然、下交渉もなく阪神のフロントから“引退勧告”を突き付けられた。2014年のオフにメジャー移籍を希望したものの、残留を決意して阪神と2015年から5年の複数年契約を結び「生涯タイガース」を誓っていたが、あまりに唐突な“引退勧告”に違和感を覚え現役続行を決意した。