なぜ「名古屋めし」は味が濃い? 味噌カツ、ひつまぶしに共通する“日本人ならでは”の味からひも解く
◆和食の特徴を分かりやすく表現した名古屋めし
そんな日本食の魅力であるうま味をとても分かりやすくした料理が名古屋めしです。「味が濃い」という表現からカロリーが高くてジャンク、と思われがちだったりするのですが、それは誤解です。 豆味噌や溜まり醤油は塩分が少なく、うま味がしっかりしている分、調理の際にも塩分を余計に加える必要がありません。名古屋めしは、減塩効果が高くてヘルシー、という和食の利点も併せ持っているのです。 名古屋めしに対する「味が濃い」というイメージを「うま味が濃い」に正しく変換すると、その特徴は日本人にとっては親しみやすく、外国人にとっては日本食らしさを実感しやすいものであることが分かります。 国内ではとかく変わっていると誤解されることが多い名古屋めしですが、実は日本食らしさをより特徴的に表現した食文化。 そんな風に理解した上で、うま味を意識しながら食せば、今まで気付いていなかった名古屋めしの魅力を存分に楽しめるはずです。
▼大竹 敏之プロフィール
愛知県常滑市出身。大学卒業後、名古屋の出版社に勤務し、その後フリーライターとして独立。雑誌や新聞、Webメディアなどに名古屋の情報を発信する。著書は『間違いだらけの名古屋めし』(ベストセラーズ)『名古屋の喫茶店 完全版』(リベラル社)など多数。
大竹 敏之(名古屋ガイド)