冷えから「腎」を守る!寒い季節を健康的に過ごすための冬の養生法を解説
冬の食養生で取り入れたい食材
冬の食養生で取り入れたいのは、「腎」を補うといわれている「黒い食材」です。ポリフェノールが豊富な「黒い食材」を摂ることで、老化や免疫力の低下を防ぐ効果が期待できます。 「黒い食材」には、黒ごまや黒豆、黒糖、黒米、黒きくらげ、しいたけ、わかめ、のり、ひじきなどが挙げられます。 ホットミルクにすった黒ごまを混ぜる、白米に黒米が含まれた雑穀を混ぜる、みそ汁の具にしいたけやわかめを使う、サラダにひじきをのせるなどの方法で毎日の食事に「黒い食材」をプラスワンしましょう。 また、「黒い食材」は先ほど紹介した温性の食材と組み合わせるとより効果的です。温性の根菜類や肉類などと合わせて、炒め物や煮物にするのも適しています。
冬の養生には漢方薬も役立つ
冬の養生には「体を温めて内臓機能を高める」「血流をよくして栄養を行き渡らせる」などの効果がある漢方薬を選びます。 ◆おすすめの漢方薬 ・八味地黄丸(はちみじおうがん) 腎の働きをよくして全身的なエネルギー不足を補うとともに、血流をよくして体を温め、内臓の機能を高める漢方薬です。疲れやすさや手足の冷え、尿量減少などに用いられます。 ・人参養栄湯(にんじんようえいとう) 栄養とエネルギーを補うことで体力を回復するとともに、血行をよくして胃腸の働きを高め、栄養を全身に行き渡らせる漢方薬です。やせていて血色の悪い人の冷えや食欲不振、疲労などに用いられます。 ◆漢方薬を始める際の注意点 漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。 ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、効果が実感できないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用するときには漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。 ◆教えてくれたのは:薬剤師・山形ゆかりさん やまがた・ゆかり。薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師を経て食養生の大切さに気付き、薬膳アドバイザーとしても活動する。牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニューを開発。そのほか、症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」()で薬剤師を務めている。