100歳を超えても骨密度は上げられる! 高齢者が食べるべき「最強の骨太料理」とは
自覚症状がないまま背骨の圧迫骨折
自覚症状がなければ、気付きようがないのではないか。そう考える方もいるかもしれません。しかし、次の話をすると、思い当たる方がいるはずです。 「年のせいで、背が低くなっちゃってね。若い頃に比べると身長が数センチ縮んじゃったよ」 高齢者の中で、“軽く”こんな言葉を口にしたことがある方は少なくないと思います。老化や加齢に伴い身長は何となく縮んでいくものであって、仕方のないことなのだ、と。しかし、“何となく”背が低くなることはありません。しっかりと原因があります。その一つが背骨の圧迫骨折なのです。従って、背が低くなっている方は、自覚症状がないまま背骨の圧迫骨折を起こしている可能性が十分に考えられるのです。 あるいは壁際に立ち、後頭部とふくらはぎ周辺の両方を壁にくっつけてみてください。どちらかが壁から離れてしまう方は、やはり背骨の圧迫骨折を引き起こしている可能性があります。 背骨の圧迫骨折が怖いのは、背骨を構成する椎骨が、まさに“いつの間にか”次々と折れていくという“骨折の連鎖”が起き、背中がどんどん曲がっていって、姿勢が悪くなり、骨折に気が付く前に誤嚥性肺炎などを誘発する点です。
二大骨折の防ぎ方
ここまで見てきたように、QOL(生活の質)を著しく損なうリスクのある二大骨折の予防は、とりわけ70歳以上の高齢者にとって重要になります。そして先ほど申し上げたように、骨は何歳からでも鍛えられますが、加齢に伴って骨密度が急激に低下するのは50~60代ですから、70代に入る前からの早めの対策をお勧めしています。 では、具体的にはどうやって二大骨折を防げばいいのでしょうか。キーワードは「二つの骨太体操」と「三つの栄養素」です。まずは二つの骨太体操から。 その一つめは、私が考案した、大腿骨骨折の予防に役立つ「かかと落とし」。読んで字のごとく、つま先立ちをして上げたかかとを地面に落とす体操です(イラスト〈1〉)参照)。ポイントは「衝撃」にあります。