阪神・大山悠輔、FA宣言「他球団の評価聞きたい」 巨人が獲得調査 虎の4番TG争奪戦ゴング
虎の4番、ついに決断-。阪神・大山悠輔内野手(29)が、フリーエージェント(FA)権行使の申請期間最終日となった13日、国内FA権を行使すると表明した。西宮市内の球団事務所で取材に応じ、残留も選択肢にあるとした上で「他球団からの評価を聞きたい」と話した。巨人が獲得調査を行っており、大山をめぐって〝TG争奪戦〟が始まる。 【写真】安芸タイガース球場の応援ボードには、大山の残留を願うファンからメッセージが寄せられた すがすがしい表情だった。一世一代の決断-。自主トレ中の大山は、トレーニングウエアで甲子園クラブハウスの会見場に姿を見せると、包み隠すことなくFA権行使に至った経緯を説明した。 「(現役で)8年間やってきて、いま自分がどういう風に思ってもらえているか、他球団からの評価が聞きたいのが一番の決断理由かなと思います」 白鷗大から2017年にドラフト1位で入団し、プロ8年で通算137本塁打を放った。昨季は初めて全試合で4番に座り、最高出塁率(・403)のタイトルを獲得。18年ぶりのリーグ制覇、38年ぶりの日本一に貢献した。 「毎日、甲子園が満員になって、あれだけの人の前で野球ができることは本当に幸せなことだと。(大声援を受けて)たくさん成長させていただきました」 もちろん、虎党への感謝の気持ちは大きい。一方、昨年の契約更改では複数年を提示されたものの単年契約を選択。今シーズン中にはFA権行使を想定し、代理人と契約した。「すごく悩みました。毎日、毎日、どうしたらいいのか、いろんなことを考えながら過ごしていました」。熟考に熟考を重ね、ついに結論を出した。 虎の4番をめぐり、〝TG争奪戦〟が始まる。巨人がすでに獲得調査をすすめている。今季、4年ぶりにリーグ優勝を果たしたが、DeNAとのクライマックスシリーズ・ファイナルステージで敗退。6試合で計9得点と得点力不足が響いただけに、リーグ2位の得点圏打率・354を誇った大山の勝負強さは魅力がある。 15日から他球団との交渉が解禁となる。大山は残留か移籍か最終決断するまでに大事なことを問われ、「たくさんあるので。いろいろ考えて、悩んで、決めたい」と話した。阪神、巨人間でのFA移籍となれば史上初。阪神はこれまでの残留交渉で4年契約総額16億円規模の条件を提示しており、慰留に全力を尽くす構えだ。 この日、嶌村球団本部長は秋季キャンプ地の高知・安芸タイガース球場で、巨人が関心を示していることについて「他球団のことは、私が言及するわけじゃない」と話すにとどめた。「僕は残ってくれると思っているし、それを信じている。残ってほしいに決まっている。(藤川)監督も含めて。引き続き、慰留に努めたい」。不動の4番が流出となれば、V奪還を目指す藤川虎にとっては大きな痛手となる。