生涯の相手はただひとり? 運命の人とのソウルメイトは存在するの?
自分はソウルメイトと出会って結ばれたという話を聞くことがある。だが最高に相性の良い相手は本当に生涯ただ1人だけなのだろうか。専門家の意見を聞いてみた。フランスのマダム・フィガロ誌のリポート。 香水鑑定士のジュリエットは44歳、ロマンチストを自認している。それも「白馬の王子様の存在を信じ、運命というものに惹かれる筋金入りのロマンチスト」だと言う。これまでずっと、ソウルメイトを探し求めてきた。誰かの微笑み、視線の裏に隠れているのではないかと。これまでたくさんの男性を振ったり、別れたりしてきた。そのうちのふたりは本当に好きだった。「でもこの人が"唯一無二の存在"ではないと感じていた。自分がこうなのは(ジュリエットなんて)名前のせいかもね」と彼女は苦笑いした。 ところが数ヶ月前のこと、とうとう運命の出会いをしたのだそうだ。「彼、エティエンヌは仕事帰りの同僚と一緒だった。ひと目で耳鳴りがして身体がほてったり冷たくなったりした」とジュリエットはその時のことを語る。ひと目ぼれだ。数日後、エティエンヌとジュリエットはパリ6区のビストロでデートした。「その晩はお互いの共通点を発見するのに忙しかった。好きな映画のような些細なことから、実は同じ場所へ同じ時期に旅行していたという驚愕の事実まで。しかもエルサレムとアンコール遺跡群の2箇所に!」と言うとジュリエットはいかに彼が完璧な相手かを語りはじめた。エティエンヌと一緒にいると、彼女は "やっと自分の居場所に戻った "と感じる。ふたりは"一心同体"で、片方がしゃべるともう片方が続ける。同じ価値観を共有し、同じ信念に導かれている。「エティエンヌは間違いなく私のソウルメイトだわ」 かの有名なソウルメイトの概念は、ロマン主義時代に真実の愛という神話が生まれて以来、現代社会に深く根付いている。文学、詩、映画等の文化表象は、気持ちや信念が完全に調和した一心同体の関係というユートピアをあおり続けている。しかし、本当に唯一無二の相手がこの世に存在するのだろうか。