「サイド転向直後に現役ドラフト」楽天→広島も1年で「戦力外だよな、そりゃ」トライアウト10日後…内間拓馬26歳が“沖縄でも“投げるワケ
1年目、抑えても何かモヤモヤが残った
自身の立ち位置、能力を冷静に把握できる、理知的な投手という印象だ。大学時代の同級生に今年、ゴールデン・グラブをとった遊撃手の矢野雅哉がいる(広島で再びチームメイトになったわけだが)。 そして2020年、ドラフト4位で楽天に指名される。 「技術はまだまだでしたが、僕はそれまで大きなケガをしていませんでした。その丈夫さを評価されたと思います。だからプロに行ってからもたくさん練習をして進化できると思っていました」 1年目の2021年は11試合に登板、10.2回を投げて自責点7、防御率は5.91だったものの、奪三振はイニング数を大きく上回る16、与四球は4、可能性を感じさせたのだが――。 「ある程度経験を積むことができたのですが、そこからプロの難しさを知ることになりました。自分で考えた取り組みと、コーチから教えてもらった方法を並行してやっていく中で、どれが正解なのかわからなくなって。抑えたとしても何か気持ちが上がらない。完璧主義じゃないですけど、なにかモヤモヤが残りました。今考えれば、もうちょっと余裕を持って考えたらよかったんですけど」
サイドスロー転向直後、まさかの現役ドラフト移籍
2年目は一軍登板1試合にとどまり、3年目の2023年になると一軍出場はなかった。オフに告げられたのは「現役ドラフト」での移籍だった。 「実は去年のオフに、当時の今江(敏晃)監督にサイドスローで投げてみないか、と言われたんです。秋季練習で3週間くらい練習をして、コーチ陣も“まとまってきたな”ということで、来季はサイドスローでいく、という方向で結論が出たんです。 ファン感謝デーも終わって、シーズンオフというときに『現役ドラフト』での移籍を告げられたんです」 現役ドラフトについては、何の予兆もなかったと言う。 「サイドスローは秋季キャンプでしか投げていない。カープの人はその前の、オーバースローの映像を見て僕を指名してくれたわけで、取ってみたらサイドでした、というわけにはいかないので急遽、オーバースローに戻したんです」 現場と編成の思惑が食い違うことは、よくあるようだが――本人にしてみればたまったものではないだろう。 「僕はもう3年、オーバースローで投げて成績が上がらなかったので、サイドにして駄目だったらあきらめようという気持ちでやっていました。新たなスタートだと思っていたのですが、それが大きく狂ってしまいました」