ダルビッシュはサイヤング賞レースから後退したのか…米メディアの見解は?「害を及ぼす」「まだ賞争いの真ん中」
日本人初となるサイヤング賞の有力候補、カブスのダルビッシュ有投手(34)が20日(日本時間21日)、本拠地で行われたインターリーグ(ア・リーグとの交流戦)のツインズ戦に先発したが、6回3分の0で99球を投げ一発を含む9安打を浴び今季ワーストとなる4失点を喫して3敗目。9三振を奪ったが、サイヤング賞の有力な判断材料である防御率は2.22とリーグ7位に後退してしまった。この結果を受けて「賞レースに打撃」と報じる米メディアが多かったが、まだ可能性があると見る向きもあり、25日(日本時間26日)に予定されている今季最終登板(ホワイトソックス戦)の結果が重要になりそうだ。
「サイヤング賞チャンスは落ち込んだ」
大事な賞レースの“最終コーナー“で立ち往生した。ダルビッシュは一回に無死一、二塁のピンチを背負いロサリオの打球が、守備に定評のある一塁手リゾのグラブを弾いた。先制点を許し、2回にも1点を追加されたが、3回以降は立ち直りスコアボードにゼロを並べた。だが、7回。先頭のゴンザレスにセンターオーバーの二塁打を浴びると、この日タイミングが合っていたトップバッターのケプラーに内角低めの難しいカットボールをライトスタンドへ運ばれてしまい万事休す。4失点で降板となりチームも反撃ができず負け投手になった。 試合前の時点ではサイヤング賞レースで重要なポイントとなる防御率は1.86でリーグ3位をキープしていたが、この4失点で2点台となり、7位まで後退してしまった。それでも7勝はトップタイで、奪三振は88で2位タイ、投球回数の69回も2位タイの数字だ。 米メディアは、この結果がサイヤング賞レースにどういう影響を及ぼすと見たのか? 地元のシカゴトリビューン紙は、カブスの敗戦を伝える記事の中で、ダルビッシュのサイヤング賞レースについて、「ダルビッシュは十分な投球だったにもかかわらず、ナ・リーグのサイヤング賞を勝つチャンスは落ち込んだ」という厳しい見解を示した。 「ダルビッシュは7連勝した際には、防御率0.98で、対戦打者の打率を.186に抑えていたが、最近3度の先発では、防御率4.26となっている。この日は、7回にケプラーに2ランを許して防御率は2.22に後退した。ダルビッシュは、『この3度の先発では、カッターの効果が失われてしまっている』と語った。4失点は今シーズンの最多失点で、9安打は今季最多タイだった」と調子が下降線にあることを指摘した。