ダルビッシュはサイヤング賞レースから後退したのか…米メディアの見解は?「害を及ぼす」「まだ賞争いの真ん中」
大リーグ公式サイトは「ユウ(ダルビッシュ)のサイヤング賞への立候補が、打撃を被る中、カブスは活気なし」との見出しを取り、「日曜の夜、ダルビッシュが人間に見えた」と表現した。 記事は、「ダルビッシュは、今シーズンで初めて4失点を許し、ナ・リーグのサイヤング賞への努力が損害を被った」と、この日のピッチング内容が賞レース後退につながることを示唆した。 そして「彼のパフォーマンスは、依然として十分にしっかりしていたが、シカゴ打線の援護をもらえず、このシリーズの敗戦で中地区のリードはセントルイス(カージナルス)に対し3.5ゲーム差に縮まった」と続けた。 現在、激戦のナ・リーグ、サイヤング賞レースで“最終候補“に残っているダルビッシュのライバルは4人。防御率ではトップが、ブリュワーズのコービン・バーンズ(25)の1.77で、彼は、4勝0敗、83奪三振(6位))、56投球回(17位タイ)。2位が1.80のレッズのトレバー・バウアー(29)で、4勝4敗、88奪三振(2位タイ)、65投球回(7位)の数字。続くのがブレーブスのマックス・フリード(26)で、防御率1.96、7勝0敗、50奪三振、55投球回の数字を残している。また3年連続のサイヤング受賞を狙っているメッツのジェイコブ・デグロム(32)も、4勝1敗、防御率2.09(5位)、80奪三振(7位)、56投球回(17位タイ)の数字で好位置につけている。 ニューヨークのスポーツテレビ局SNYは、「デグロムの2020年ナ・リーグ、サイヤング賞を見守る。ダルビッシュは防御率を再び上げる」との見出しを取り、地元メッツのエースであるデグロムの3年連続のサイヤング賞受賞の可能性をカバー。 ダルビッシュ、フリード、バウアーらの候補の投手成績を比較。ダルビッシュについては、「シーズン最多の9安打をここ2度の先発で連続して許し調子は若干下降気味だ。防御率は、先週火曜日に1.77から2.00(のちに1.86へ公式が修正)、そして今は2.22へとまた1度悪化した。しかし、彼は、強力なツインズ打線相手に9三振を奪い、1四球を与えただけだった」と、紹介した。 CBSスポーツは、「ダルビッシュは7回に入る時にはわずか2失点だったが、すぐに二塁打を与え、マックス・ケプラーに試合から降板することになる2点本塁打を続けられた」とピッチング内容を伝え、「最近の右腕(のダルビッシュ)にシャープさはなく、ここ2試合の先発では9安打ずつを許している。この最近のパフォーマンスはダルビッシュがサイヤング賞を獲得するチャンスに害を及ぼす可能性はある。だが、まだ彼は賞争いの真ん中にいる」と、まだ可能性が残っているという見解を示した。 同記事は、ダルビッシュの防御率2.22、WHIP(投手指標)1.00、69イニングを投げて三振88、四球13の記録を紹介。レギュラーシーズン最後の先発が25日(日本時間26日)のホワイトソックス戦に予定されていることを報じた。 サイヤング賞はナ・リーグ、ア・リーグで、それぞれ一人ずつBBWAA(全米野球記者協会)の記者投票によって選出される名誉ある賞。勝利数、奪三振、防御率、WAR(勝利貢献度を示す指標)、WHIP(1イニングあたりに許した走者数を示す指標)などの記録に加えて、チーム貢献度を示す投球回数も重要な判断基準とされている。また今季は新型コロナの影響で、60試合という異例の短期のシーズンとなっているため、投票の行方が割れるとの見方もある。 ダルビッシュは、レンジャーズ時代の2013年に13勝9敗、防御率2.83、277奪三振の数字を残して、サイヤング賞の最終候補の3人に残ったが、当時タイガースのマックス・シャーザー(現在ナショナルズ)が選ばれた。