高齢者を食い物にする《あぶない片付け業者》を見抜く10の方法…「すぐ家に来たがる」「なんでも回収する」この言動が危険です
見積もり比較で予防
片付け業者詐欺を未然に防ぐもっとも手っ取り早い方法は、電話などで複数の業者に見積もりを出してみること。そうすれば、大体の相場感がわかるはず。 実際に本誌記者(50代)は7つの業者に見積もりを出してもらい、そのうち4つを左ページに示した。内訳はソファ(2人掛け)、ベッド(セミダブル)、テレビ(40インチ)だ。 その結果、品目ごとに若干の値段のばらつきはあるが、相場は1万2000~2万円だとわかった。この価格帯を提示してきたのは5社だった。 なお、5社のうちB社、C社以外は電話した当日に自宅訪問を提示してきたり、追加料金については「現場による」と濁したりしたため、安全とは言いきれなかった。A社が明らかに法外な値段を提示しているが、反対に、軽トラに積載できる容量であれば、一律9800円と提示したD社は安すぎる。 D社は先述した河野さんのケースのように、見積もり以上の金額を詐取する可能性が高いが、追加料金はなく、家具の状態次第で値下げも可能だという。「現地で正確な見積りをしたい」と言うので、本誌記者が実際に自宅で査定を受けた。 当日の12時に来た業者は2人で、ともに水色のつなぎを着ていた。リビングに入るなり、「今日回収しちゃっていいですか?よかったら、見積もりを出してもらった以外のものも」と言う。すると、おもむろに引き出しや、クローゼットのなかのスーツを物色し始めた。こちらが「見積もりの3つだけでいい」と伝えると、「それだけだとちょっと回収は難しいかもしれません」と言い出した。彼らの狙いはやはり、見積もりに出した以外の貴金属やレコードなどの価値のあるものだったのだ。 加えて、そもそも査定だけの依頼だったはずだ。こちらが断ろうとしても、なかなか納得しない。押し問答が続き、結局彼らが去っていくまで実に1時間半以上がかかった。このように詐欺とわかっていても、業者は食い下がってくることが多い。実家の片付けや遺品整理など様々な案件を請け負う「ブルークリーン」の鈴木亮太氏が言う。 「業者に不用品回収や買い取りを頼むときは、子供などの親族や信頼できる知人に立ち会ってもらったほうがいいでしょう。悪徳業者だった場合、一人だとなかなか断ったり、追い払ったりするのが難しく、正常な判断ができない場合が多い。 結果、押し切られて、手放すつもりのなかったものまで買い叩かれてしまう。第三者が横にいれば意見を聞けるし、焦らずに決めることができる。また、回収品の使途を確認することも重要です。そうすれば、業者もそこまで強気に出ることもないと思います」