日大が記者会見 前理事長逮捕受け(全文1)伝統ある日本大学が汚された
12月6日に東京地方検察庁に被害届を提出
また、今回の件は本学における法人のガバナンスの有効性が問われており、田中氏、井ノ口氏だけに責任があるわけでなく、理事会の構成員である理事全員について学校法人としての責任を示す必要があることから、理事全員が辞任願を提出することを決定しており、すでに全理事および法人監事が辞任届を提出いたしております。なお、辞任願の執行時期や取り扱い等については私に一任されており、適切な時期に必要に応じて対応をしていくことにしております。 次に被害届の提出についてご説明をいたします。被害届については12月3日の理事会において、井ノ口元理事が絡む背任事件である医学部附属板橋病院建て替え計画を巡る事件、および医学部附属板橋病院機器導入に伴う事件の双方について、大学として被害届の提出を決定し、12月6日に東京地方検察庁に被害届を提出いたしました。 被害届を同日まで提出できなかった理由は、関係資料がほとんど東京地方検察庁に押収されており、かつ地検の捜査中は捜査妨害に当たるため本学での調査ができないということもあり、基本的には起訴された以後に対応せざるを得ず、時間を要してしまった次第でございます。 先にご説明を申し上げましたが、今回の背任事件については法人監事および法人監事の指揮の下に設置した本学と利害関係のない弁護士複数名が参加した調査チームにより調査が行われています。本日開催されました臨時理事会において、医学部附属板橋病院建て替え計画を巡る事件に関する中間報告書1が承認されました。この報告の概要につきましては、先ほど申し上げましたとおり近日中に本学ホームページに掲載をさせていただきますので、ご確認いただきたいと存じます。また、第2事件につきましても鋭意調査を行っており、近いうちに報告をいたす予定でございます。
株式会社日本大学事業部は清算を視野に
なお、今回提出された中間報告書1を踏まえ、法人監事からは最終報告書を待つことなく中間報告書1で認定された事実、および文部科学省をはじめとする関係機関からの提言および意見等を踏まえ、日本大学事業部の在り方を含めた本法人の管理運営体制について、速やかに抜本的改善策の検討に着手するよう要請されております。 先に述べましたとおり、調査は継続しており、今回の一連の事件が起きてしまった原因の究明については最終の報告書を待つことになるとは思いますが、第1事件である医学部附属板橋病院建て替え計画を巡る事件に関する中間報告書1を踏まえ、本学として現時点で認識している主な原因でございますが、1点目はアメリカンフットボール問題時、その行動が問題視され理事を辞任した井ノ口氏を日本大学事業部の取締役として迎えた上、事業部内の管理部門からの牽制がほとんど利かない状態で井ノ口氏が絶大な権限を持ち、事業部の運営ほぼ全てが井ノ口氏に任される状態であった。これが第1点目でございます。 第2点目は、日本大学事業部を管理監督すべき理事会において、その管理監督体制が十分ではなかったと思われる。これが第2点でございます。 第3点目でございますが、コンプライアンスの十分な徹底がなされてこなかったと思われること、および残念ながら公益通報制度が積極的に利用されなかったことがあると思われます。これが3点目。 また、事件発生後の本学の対応として、適宜、適切な説明が十分にできていなかったこと、これも大きな問題であると存じます。 これを踏まえ、今後の対応についてお話を申し上げます。原因の1点目として挙げた点に対応して、株式会社日本大学事業部につきましては、12月7日に開催された取締役会において、現在実施している不明瞭な取引や会計の精査業務が終了した時点で、清算を視野に今後の在り方について検討を進める予定でございます。 2点目の対応として、調査チームによる最終調査報告には一連の事件が発生に至った原因の究明および再発防止策の提言がなされる予定であり、本学はその提言に基づき適切な再発防止策を策定し、具現化していくこととしております。 しかし、再発防止策の策定およびその具現化は迅速に実行することが求められております。法人監事からの要請もあり、最終の調査報告を待たず、大学自らの責任において今回提出された中間報告書1で認定された事実、および文部科学省をはじめとする関係機関からの提言および意見等を踏まえ、本学の体制の抜本的な改革案の検討を進めておく必要がございます。