保育園の給食費徴収から駐車場管理まで…仕事休んで収入減る人も 親たち悲鳴「責任押し付けないで」「知らずに加入…」、保護者会廃止提案
なり手見つからず「時代に合わない」
長野県諏訪市内13の市立保育園の保護者会役員で構成する市保育園保護者会連合会(岩波純一会長)は25日、市役所で開いた金子ゆかり市長との懇談会で、保護者の負担軽減を図るために現行の保護者会の廃止を提案した。保護者会役員は仕事を休まなければならないなど活動が負担で、なり手が見つからず、「現代の社会情勢にそぐわなくなってきている」とし、負担軽減を訴えている。 【写真】市内保育園の保護者会を廃止する提案書を示す親たち
記念品の購入、行事で写真撮影の手配まで…
連合会によると、現在、ご飯やパンなどの給食の主食費は、市立保育園全園で保護者会が各家庭から回収し、業者に支払っている。中には送迎のために保護者が止める園の駐車場管理について、保護者会が地主と契約を結び、料金の回収や維持管理を行っている園もある。このほか、行事の記念品の購入、撮影の手配など業者との交渉といった点も負担となっているとする。
新たに連絡役の「代表」置く代替策を提案
提案書は市内各保育園の保護者らから寄せられた意見をまとめた。内容は、現在の保護者会は廃止する、主食費回収や駐車場管理は市が担う―などと提案。廃止に伴い、新たに各園に「保護者代表」を置き、園への要望を伝え、行政と保護者の連絡役を担うといったことを提案した。
「収入減って困っている親も」「知らないうちに加入させられた」親たちの悲鳴
懇談会には保護者会役員ら約30人が出席。役員からは「役員業務で仕事を休まざるを得ず、収入が減って困っているひとり親家庭もある」「小規模の園などでは役員を何回もやらなくてはいけない」などと負担の重さについて意見が出た。「保護者会は知らないうちに加入させられていた」と話す保護者もいた。
「廃止は致し方ない」
岩波会長は「任意の団体に責任をあまり押しつけないでほしい。廃止は致し方ないとするところまできている」と話した。
市長「判断は尊重しなければならない」
これに対し、金子市長は「任意の団体なので行政が続けてとは言えず、それぞれの会の判断は尊重しなければいけない。必要以上に負荷があるなら改善していきたい」と述べた。 連合会はこのほか、未満児保育の完全無償化の検討なども提言した。