【Q&A】コロナ分科会が示した新しい「ステージ」指標とは?
政府の新型コロナウイルス対策分科会(会長:尾身茂氏)は昨年8月、各都道府県の深刻度を示す「ステージ」の概念を提示しました。最も深刻などステージ4は「緊急事態宣言が視野入る段階」という位置付けです。同時に分科会は、感染状況や医療提供体制の状況がどのステージに当たるかを判断するための指標を発表しましたが、今年4月にステージ指標を見直し、新たな指標の追加や数値の変更を行いました。改めてステージとは何かを振り返りながら、新しい指標について分科会の資料や記者会見での発言から解説します。 【図表】2020年8月に発表された4段階の「ステージ」指標
Q:そもそもステージって何?
地域ごとの新型コロナウイルスの感染状況や医療提供体制から、その深刻度を表すものです。深刻度が低いステージ1から最も高いステージ4まで4段階に分けられています。 ステージ4は「緊急事態宣言が視野に入る状態」、ステージ3はステージ4にいかないため「まん延防止等重点措置」などの対策を講じる段階と位置付けられています。
Q:ステージを判断するうえでの指標は?
指標はステージ3とステージ4にだけあります。
従来の指標は以下の通りです。 (1)確保病床の使用率(2)人口10万人当たりの療養者数(3)PCR陽性率(4)人口10万人当たりの新規陽性者数(5)直近1週間と前の1週間の増加比(6)感染経路不明者の割合。 これに対し、今回提示された指標は以下の通りです。 (1)確保病床の使用率(2)入院率(3)人口10万人当たりの療養者数(4)PCR陽性率(5)人口10万人当たりの新規陽性者数(6)感染経路不明者の割合。 ※それぞれの数値は、表の通りです。従来の指標の詳述は関連リンク「【Q&A】新型コロナ報道で耳にする『ステージ』って何?」をご参照ください。
Q:どこが変わったの?
「直近1週間と前の1週間の増加比」の項目がなくなり、医療のひっ迫具合をはかる指標として「入院率」という項目が新たに設けられました。 他にも、指標の数値が一部修正されました。 「人口10万人当たりの療養者数」はこれまでステージ3で「15人」、ステージ4で「25人」としていた数値基準が、それぞれ「20人」「30人」に修正されました。これは、新規感染者の入院期間を当初は1週間程度で想定していたところ、実際にはより長くかかることが分かってきたためだとしています。 「PCR陽性率」は、これまではステージ3、ステージ4ともに「10%」が基準でした。しかし「ステージ3に入った県の多くは5%超える。(ステージ)4に入る県は10%(を超える)という傾向があることが分かってきた」(尾身会長)との理由から、ステージ3の数値が5%に引き下げられ、より早く予兆をつかめるようにしました。