「ウソでしょ?カッコよすぎ」「マツダ車ってマジ?」初代モデルのデザインが美しすぎる!今なお語り継がれる名車を紹介
キャロルの後方戦略として開発されていたファミリアは、その後、マツダの礎ともなるロータリーエンジンが搭載されたのだ
しかし、高度な技術で実現させた、他にはない個性を直球で投げ込む姿勢は、今日のマツダにも受け継がれている。マツダ車の看板となった、鮮やかな赤のヘルメットを被り、敗北をも糧としてファイティングポーズを取り続けるカープ軍団と同じ血が、そこには流れているに違いない。 軽自動車ながらオールアルミ製4気筒という贅沢なキャロルのエンジンは、その後の東洋工業の経営戦略に沿って開発されていた。キャロルも発売前の1961年秋のショーに700として出展されているが、本命だったのは1963年に発売された800㏄ のファミリアだ。 カローラ/サニーの姿はまだなく、マイカー時代は掛け声に過ぎなかった当時の市場環境から、最初に投入されたのは商用ライトバン。今日のマツダと同じく、スタイリッシュなデザインを纏ったそれは、商店の配送車兼マイカーとして好評を博し、翌1964年には、満を持してセダンも投入された。キャロルと基本設計を共有するオールアルミ製の4気筒エンジンはOHVだったが、「白いエンジン」のキャッチフレーズで先進技術をアピール。1965年に追加された1Lのクーペには早くもOHCを採用して68PSの高性能を誇り、高い実力を見せつけた。1967年に登場した2代目ファミリアにはロータリーエンジンが搭載されるなど、ファミリアは今日のマツダの礎となる主力商品に育ち、1980年に誕生したFFファミリアは時代の寵児となるほどの人気を得た。そのスタートは、キャロルに積まれたエンジンだったのだ。 <写真キャプション> 2ドアセダン(前期型) 700㏄4ドアの試作モデルはショーで大きな反響を得たが、まだ低価格の軽自動車購買層が多いと判断したマツダは、360㏄の2ドアセダンを先行デビューさせた。 <写真キャプション> (後期型:1966年~) 前期型と後期型の外観上の違いのひとつがリヤの形状。ナンバープレートで二分されていたリヤグリルは後期型で一体形状に。また丸いブレーキランプが四角に変更されている。 <写真キャプション> トランクルーム(後期型) 1966年10月のマイナーチェンジで、スペアタイヤはエンジンルームへ移され、フロントのトランクルームはかなり実用的になった。 <写真キャプション> トランクルーム(前期型) 前期型はスペアタイヤや20ℓの燃料タンク、さらに工具類が占拠し、トランクにはほとんど荷物が積めなかった。 <写真キャプション> キャロル600 ホイールベースは360と変わらないが全長/全幅はわずかに拡大された600。586㏄のエンジンは28PS/4.2 ㎏・mを発生した。写真はマツダ車生産累計100万台を記念して造られたゴールドのキャロル600。