【実家に帰省するならやっておきたい相続準備】通帳記帳、口座解約、戸籍取得、納税通知書の確認…年末年始でもできる手続き
年末年始に実家に帰省するのであれば、相続問題について片付けておきたい。年の瀬は役所の窓口が閉まり、相続の手続きもできなくなると思われがちだが、実はやれることが多数ある。ファイナンシャルプランナーの馬渡初代氏が言う。
「通帳の記帳はATMでいつでもできます。親が複数口座を持っていた場合、年単位で記帳していない通帳があったりする。特に重要なのは2か月に1度、偶数月に年金が振り込まれる預金口座です。通帳を見れば年金やその他の収入だけでなく、支出もわかるので借金の把握にも役立ちます」 そのうえで利用頻度が少ない口座は解約したい。相続専門の行政書士・中田多恵子氏が語る。 「銀行窓口の休みは銀行法で決まっており、2024年は12月30日(月)まで営業しています。本人が窓口に行けば簡単に解約できる。古い通帳で印鑑をなくしていても本人確認ができる書類があれば届出印を変更することができ、そのまま解約手続きを行なえます。キャッシュカードがあるなら、とりあえず預金を全額引き出して空にしておく手もあります」 相続後、口座の名義変更は1行ずつ行なう必要があり、労力もかかるので口座は極力少なくしておくことが望ましい。 同様に使っていないクレジットカードも解約しておくべきだと中田氏。 「年会費がかかるカードなら解約の手続きが必要ですが、年会費無料のカードならその場でハサミを入れて使えなくするだけでもOKです」
相続手続きをする際は、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本が必要になる。親の生前でも法定相続人を確定するために役立つ。 これまでは親が転勤族などで本籍地が移動していると、自治体から取り寄せた戸籍謄本を見てその前の本籍地を確認して……という煩雑な手続きが必要だった。 「2024年3月にスタートした戸籍謄本の広域交付により、被相続人の本籍地が複数にまたがっていても最寄りの役所ですべての戸籍謄本をまとめて取得できるようになりました。自治体によりますが、基本的に役所は12月27日まで開いており、即日で発行してもらえるケースもあります。 もし12月27日までに間に合わない場合、年内に必要な書類をリストアップして準備しておけば、年明けに滞りなく入手できるはずです」(中田氏)