「仕事で憂鬱になる」必要は1ミリもない…"たかが仕事"でメンタル崩壊せずに職場でうまくやる方法
■「みんな」の前でも、一人ひとりに言葉をとどける もう1つ大事なことがあります。 それは、「みんな」に向かって話そうとしないことです。 1対1であればふつうに話すことができるのに、3人の前に立って話そうとするとどうなりますか?急にたどたどしくなってしまうはずです。 この時、あなたは誰に話しかけているのでしょうか? そう、「みんな」です。 でも、「みんな」という人は存在しません。それは、人の集合を表す概念です。 つまり、実際の人が見えていないということです。 「みんな」という集合体に話しかけるのではなく、「鈴木さん」「佐藤さん」など、一人ひとり、順番に話しかけるイメージを持ってください。 1対1で話をする時と同じように、目を見ながら「その人」に言葉を届けるのです。 1人の人間として話しかけられた人は、たいてい人間らしい反応を返してくれます。つまり、うなずいたり、あいづちを打ったり、目線を返してくれたりするのです。 反応が返ってくれば、人前で話す緊張もすっと消えていくでしょう。 「いいことを言わなければ」などと思っている時ほど、目の前にいる「その人」を認識できていないものです。 失礼な話、力んだところで急に話がうまくなるわけでもなし。逆に言えば、いきなり下手になることもありません。 大丈夫。いいことを言おうと思わないで、いつも通りに話してみてください。 ---------- いつも通り、一人ひとりに話しかけるイメージを持とう ---------- ---------- 片田 智也(かただ・ともや) 一般社団法人感情マネージメント協会代表理事、公認心理師 20代で独立起業するが、ストレスから緑内障を発症、視覚障害者に。同年、うつ病と診断された姉が自死。姉の死の真相を知るために精神医学や心理療法を探求し、後に心理カウンセラーに転身する。厚生労働省ストレスチェック制度、防衛省メンタルサポートなどメンタルケア関連の公共事業に多数参画。カウンセリング実績はのべ1万5000人以上。企業研修や講演の受講者は累計2万名を超える。精神障害を持つ方のカウンセリングから経営者、アスリートのメンタルトレーニングまで「心の問題解決」に広く取り組む。 ----------
一般社団法人感情マネージメント協会代表理事、公認心理師 片田 智也 イラスト=髙栁浩太郎