兄弟愛のシンボル、ふたご座を見つけて「冬のダイヤモンド」をつくろう
桜の開花ももう間もなくでしょうか? 花粉症の人は、辛い時期となってきましたね。私もその一人です。 さて、暦と気分はすっかり春ですが、今回はまだまだ見えている冬の星座、そしてお誕生日の星座でもおなじみのふたご座をご紹介します。
星の並びも仲良し、ふたご座
以前ご紹介した、冬の大三角を覚えていますか? いまの時期だと午後7時ごろによく見えていますよ。 その冬の大三角から目線をもう少し上にあげてみてください。すると2つの星が仲良く並んでいます。それがふたご座の目印。ちょうど2人の頭に輝く星となっています。 よく見ると、色の違いがわかり、昔の日本のある地方では「金星、銀星(きんぼし、ぎんぼし)」とも言われていました。金星と呼ばれていたように、明るくてオレンジがかっている星が弟の「ポルックス」。銀星と呼ばれていた、白みがかっている星が兄の「カストル」です。明るさもわずかに違い、ポルックスは一等星。カストルは少し暗い二等星です。 ほかにも、2つの星の並びから「ねこの目」や「カニの目」などと呼び、やはりペアの星とみていた地方もあったとか。あなたはどんなペアに見えますか?
兄弟愛の物語
実は、この双子の兄弟たちもまた、浮気者ゼウスの子どもなのです。 ある日、ゼウスが白鳥に化け、スパルタの王妃レダへと会い行き、レダに2つの卵を産ませました。その卵から、双子の兄弟カストル(カストール)とポルックス(ポリュデウケース)が生まれたのです。 弟のポルックスはゼウスの神の血を引き、不死身に生まれましたが、兄のカストルは生身の人間として生まれました。 2人は、そんな違いなんて気にせず、共に成長していきました。カストルは乗馬の達人となり、ポルックスはボクシングの名手となって、さまざまな冒険談で名が知られていました。 力を合わせて色々な武勇伝を残してきた2人でしたがある日、悲しい出来事が起きてしまいました。アルカディアに牛の群れを盗みに、2人のいとこ達と一緒に出かけ行ったときのことです。ふたごたちはいとこ達に自分たちの分け前の牛をだまし取られてしまったのです。それを奪い返そうと、2人は先回りして待ち伏せをしました。しかし、カストルだけいとこ達に見つかり、弓矢で殺されてしまいました。残された不死身のポルックスは、カストルの死をとても悲しみ、ゼウスにお願いをしました。 「どうか私の不死身を解いて、兄と一緒にいられるようにしてください」 ゼウスは、ポルックスの願いに心を打たれ、不死身の力をカストルに半分わけ与えました。こうして兄弟はいつも一緒に、一日ごとに地上とあの世で暮らせるようになり、兄弟愛のしるしとして、ゼウスが星座にしたと伝えられています。