海外にも東京五輪演出統括の渡辺直美さんへの容姿侮辱、辞任劇が波紋「演出トップがオリン“ピッグ(ブタ)”侮辱で辞める」
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の橋本聖子会長(56)は18日、開閉会式の演出を統括するクリエイティブディレクターの佐々木宏氏(66)がタレントの渡辺直美さん(33)の容姿を侮辱するような演出案を提案したと「週刊文春」に報じられた問題に関しての記者会見を行い、「私としてもショック。発言は不適切であり大変遺憾」と謝罪し、佐々木氏の辞意を了承したことを明らかにした。 組織委員会の森喜朗前会長の女性蔑視問題、辞任に続く“醜聞”の波紋は海外にも広がり、欧米の主要メディアも今回の問題を「オリン“ピッグ(ブタ)”」の言葉を象徴的に使って次々と伝えた。 ワシントンポスト紙は「五輪の演出ディレクターがふくよかな女性コメディアンに“オリンピッグ”に扮するように主張した後で辞任」との見出しを取り、「東京五輪の開閉会式の演出ディレクターが、女性コメディアンについて軽蔑的な発言をしたことが明るみに出た後の木曜日に辞任した」と、佐々木氏に関する騒動を伝えた。 記事は「彼の辞任は組織委員会の森会長が先月に女性を侮辱する発言をして辞任させられた後に起きた。東京五輪のイメージにとってまた新たな妨げとなる」と厳しく指摘。 「先月辞任した森氏の後を引き継いだ橋本会長は、佐々木氏の発言を『不適切で大変遺憾』と呼び『ショックを受けた』と語った。橋本会長は、佐々木氏が五輪に向けた準備で極めて重要な役割を担っており、後悔を示し謝罪を繰り返したと語った。それでもなお事態を熟慮した結果、彼女は彼の辞任を受け入れた」とし、この日の会見での橋本会長の説明とコメントを引用した。 米のFOXニュースも「東京五輪の重役が、ふくよかな体型のコメディアンを“オリンピッグ”として登場させるよう主張したことで辞任」との見出しを取って報道。佐々木氏が、渡辺さんの体型を侮辱する提案を行ったことと、辞任したことを伝えた上で、「東京五輪の関係者による性差別で、2度目の告発となった彼の発言は(新型コロナウイルスの)パンデミックによってすでに1年延期されている五輪大会へ向けた下準備を台無しにしてしまった」と厳しく批判。 「2月に(当時の)五輪組織委員会の森会長が女性は会議で話し過ぎると語った性差別的な発言をしたことで辞任させられた。日本オリンピック委員会のトップだった竹田恒和氏も、2年前にIOCメンバーの票買収に絡んだ贈収賄事件の中で退任している」と、改めてここまで連発しているトラブルを連記した。 英BBCは「東京五輪の演出トップが“オリンピッグ”侮辱で辞める」との見出しを取り、「東京五輪の演出トップが女性コメディアンを“オリンピッグ”として登場させるよう主張し、大会の新たな妨げとなる事態を起こして辞任することになった。佐々木氏は、ふくよかな体型のタレントである渡辺直美さんが開会式でブタの耳を身につけるように話していた」と伝えた。 渡辺さんを「33歳で日本で最も有名なコメディアンの1人で、著名人のものまねや、その体型でもポジティブになれるような支援活動で知られている。近年では、彼女は『ぽちゃかわいい』と呼ばれる体型に前向きになる活動の先頭に立ち、2014年にはプラスサイズの衣服を提供する日本初のブランドの1つを立ち上げた」と紹介。 「66歳で五輪の開閉会式を統括する佐々木氏は、昨年、Lineのグループチャットを通じて、渡辺さんに関する提案を行った。提案はすぐに彼の同僚が不適切だと話すことで即座に拒否された」と騒動の経緯を詳しく説明している。