なぜ?また混乱…渡辺直美さん侮辱演出で開閉会式統括の佐々木氏が謝罪文公表、電撃辞任も…目立つ“言い訳”と解決しない問題
人気タレントの渡辺直美さんにブタの仮装をさせるなど、その容姿を侮辱する開会式の演出案を提案するなどの問題行動を起こしていた東京五輪・パラリンピックの開閉会式の演出を総合統括するクリエーティブディレクターの佐々木宏氏(66)が17日、辞意を表明した。東京五輪・パラリンピック組織委は17日に佐々木氏の謝罪文を公表。すでに佐々木氏は橋本聖子会長に辞意を伝えたという。17日に「週刊文春」電子版で一連の問題をスッパ抜かれて、あわてて対応したものだが、開会式の演出を手掛けていたMIKIKO氏らを組織から“排除”するなどして、女性メンバーがほとんどいない状況になっている開会式演出新体制の問題点なども同メディアによって明らかにされており佐々木氏の辞任だけでは問題は解決しそうにない。大会組織委員会は今日18日に橋本会長らが会見を開き経緯を説明、一連の問題について謝罪する予定だ。
「非常に不適切な表現がありました」
もはや、またか…である。 週刊文春によると、ことが起きたのは昨年の3月。東京五輪の開閉会式の総合統括をする佐々木氏が、タレントの渡辺直美さんにブタの仮装をさせるなどとする女性を侮辱する演出案を考案して、演出メンバーにLINEを送ったという。 佐々木氏は、元電通マンで、トップクリエーターとして、米俳優のトミー・リー・ジョーンズを起用した缶コーヒーBOSSの「宇宙人ジョーンズ」シリーズや可愛いシバ犬を一家の父に見立てたソフトバンクの「白戸家」シリーズなどのヒット作を手掛けてきた人物。東京五輪へ引き継ぐ、リオ五輪閉会式での“安倍マリオ”の演出も佐々木氏によるものだった。 この日、発表された佐々木氏の謝罪文によると、渡辺直美さんの起用案で「宇宙人と地球人の接点的な役柄で、オリンピックの使者的キャラということで、オリンピックの語尾をピッグという駄洒落にして、オリンピッグという名前のピンク色の衣装で、耳がぶたのはどうだろう、というような発案をしました」という。 メンバーからは反対意見が殺到。当時、演出メンバーだったMIKIKO氏から「ピンとこない」。他のメンバーからは「面白くない」「女性を豚に例えるなんてありえない」「一時的なアイデアだとしても、言うべきじゃない」などという意見が集まり、佐々木氏は「LINE上でスタッフから非常に怒られ、私もその場で大変恥ずかしながらスタッフからの率直な直言で目が覚めました。メンバー全員にLINE上で謝り、撤回しました。気づかせてくれたことに礼も言ったつもりです」という。この日、公表した謝罪文では「私のアイデア及び、発言内容に、非常に不適切な表現がありました」と認め「渡辺直美さんに対しては、大変な侮辱となる私の発案、発言となること。これは取り返しのつかないことです。心から反省して、ご本人、そして、このような内容でご不快になられた方々に、心からお詫び申し上げます」と複数回にわたって謝罪。 佐々木氏は、週刊文春の取材を受けた時点で「LINE上での大失言が表に出て渡辺直美さんにも伝わるときが来たら、責任をとって辞表を出すべきと考えていた」そうで、「橋本会長には、夜分ではありますが、お電話で私の辞意をお伝えしました。あらためて辞表を書かせて頂き、お届けするつもりです」と辞任の意向を明らかにした。