海外にも東京五輪演出統括の渡辺直美さんへの容姿侮辱、辞任劇が波紋「演出トップがオリン“ピッグ(ブタ)”侮辱で辞める」
ニューヨークタイムズ紙は「東京五輪職員がふくよかな体型の有名人を“オリンピッグ”と呼んだ後で辞任」との見出しを取り、「ほとんどの人は面白いとは思わなかった」と書き出して、今回の一連の騒動を報じた。 同紙も「日本の雑誌(週刊文春)が、66歳の佐々木氏がこのアイデアを1年前に仲間と共有したと報じた1日後の木曜日に彼は辞任して謝罪した。彼の辞任は、東京五輪組織委員会の会長で83歳の森氏が、女性が会議で話し過ぎると発言して批判が広がる中で辞任した、数週間後に起きた」と、森前会長の辞任劇と関連づけて伝えた。 さらに森氏が辞任に追い込まれた状況と比較し、「森氏への激しい憤りに応える形で『高齢男性の集まり』というイメージを正そうとする試みのなか、組織委員会は五輪開幕までわずか数カ月のところで女性をリーダーに配して緊急発進した。佐々木氏の迅速な辞任は、森氏の退場と著しく対照的だった」と、今回“スピード決着”をはかった現組織委員会の姿勢を評価。 「森氏は即座に彼の性差別発言を謝罪した一方で、当初は辞任しないと語っており、日本の政治当局者のトップの誰もが彼に立ち去ることを要求しなかった。森氏は最終的に、彼の辞任を求めるオンライン署名や、野党の女性政治家による抗議や五輪スポンサーからの懸念が出た1週間以上後に辞任した」と振り返った。 橋本会長は、この日の会見で海外メディアから「新型コロナ禍で、このような問題が色々と起きる中で東京大会を成功に導く自信はあるのか」と質問され、「国民、世界の方々が厳しい意見をお持ちであることは理解している。東京大会は世界が大きな問題に直面しているときだからこそ成功の意義と価値がある。新たな社会の構築へのレガシーを築いていくのが責務。より多くの世界の方々に歓迎される東京大会になるように全力を尽くしていきたい」と返答した。 だが、「多様性と調和」と定めた東京五輪の理念に反する出来事が次から次へと起き、ますます国際社会の世論を味方につけることは難しくなっている。