帰国した主将の宮間が語った、なでしこJの課題
カナダで開催されていた、サッカーの女子W杯で準優勝したなでしこジャパンが7日に帰国。成田市内のホテルで凱旋会見に臨んだ。 日本サッカー協会の野田朱美女子委員長、なでしこの佐々木則夫監督ともにひな壇に座ったキャプテンのMF宮間あや(岡山湯郷Belle)は、サポーターや支えてくれた関係者に選手を代表してお礼を述べるとともに、2対5の完敗を喫したアメリカ女子代表との決勝戦を含めた大会全体をこう振り返った。 「すべてを出し尽くしたというか、チームのこと、自分のことにすごく集中して臨めたし、やれることは全部できた大会でした」 ファンやサポーターの関心は、必然的に次のステージへと移る。23歳以下の年齢制限が設けられている男子と異なり、A代表が出場する五輪が来夏にブラジル・リオデジャネイロで開催される。 「なでしこは前回のロンドンでも銀メダルだったので、金メダルを狙うことは間違いない。日本の皆さんの期待もあると思うし、そこがスタートラインになる」 あらためて高い目標を設定した佐々木監督とは対照的に、アメリカへの借りを五輪の舞台で返すのか、と問われた宮間は慎重な発言に終始した。 「借りを返すためには、とにかくアジアを突破しないといけない。簡単な戦いではないので、予選へ向けてこれまで以上にいい準備をしないといけないと思っています」 ヨーロッパなどは今回の女子W杯が五輪予選を兼ねていたが、アジアはあらためて行われることが決まっている。しかも、アジア大陸に与えられた枠はわずかに「2」しかない。 最終予選には6チームが出場する。なでしこと今大会でベスト8に進出した中国とオーストラリア、日本戦では特に闘志を前面に押し出してくる韓国、ドーピング違反で今大会は出場停止だった北朝鮮に、1次予選を勝ち上がった1チームが加わる。 開催方式は来年2月から3月の間にセントラル方式による総当たりのリーグ戦を行い、上位2カ国に五輪切符が与えられる形が濃厚だ。日本サッカー協会も最終予選の国内誘致に乗り出す構想を抱いているが、いずれにしても宮間の言葉通りに苦戦は避けられないだろう。