なぜ西武ニールの不敗伝説はストップしたのか
西武のザック・ニール(31)が31日、福岡のPayPayドームで行われたソフトバンク戦に先発も6回8安打5失点で負け投手となった。昨年6月20日の中日戦から続いていた連勝記録は「13」でストップ。昨年4月23日のロッテ戦の引き分け以来、20試合続いていた不敗伝説もついに終焉を迎えた。実に昨年4月9日の楽天戦以来、479日ぶりの2敗目。なぜニールの不敗伝説はストップしてしまったのか?
明石に浴びた決勝アーチ
4-4の同点で迎えた6回にツーアウトを取ってから悲劇が起きた。 ニールが7番打者・明石健志へ投じた3球目のツーシームが真ん中高めに甘く入ったのだ。捉えられた打球は糸を引くような綺麗な弾道を描きライトのテラス席に飛び込む。キャッチャーの森友哉は天を仰ぎ、ニールは顎髭をなでて悔しさを表現した。 結果的に、この1点が決勝点となった。 「あの場面はヒットで良かったのに…用心がなさすぎる」と、試合後、辻監督が嘆いた。 カウントは1-1。まだ投げ急ぐカウントではなかったが、明石は、このボールに目付けしていた。 「僕に対してはツーシームとチェンジアップが多かったので、高めのツーシームを狙っていました」 2回の第1打席はツーシームの連投でカウント1-1から低めに落ちてくるチェンジアップをひっかけて一ゴロ。3回の第2打席はチェンジアップとツーシームでカウント2-2とされ、高めのボール気味のツーシームを強引に打ちにいき一ゴロに終わっていた。この2打席の中で、まるでナックルのように動くチェンジアップよりも、失投が目立つ143キロ前後のツーシームを狙った方がいいと、ターゲットにされていたのである。 「自分のコントロールミスもありましたが、今日は相手打線が上でした。特に3回のピッチングは悔いが残ります」 ニールが悔やむのは、明石への1球ではなく、山川穂高、中村剛也の一発攻勢で3点の先制点をもらいながらも、一死から四球を挟んで5連打されて4点を失い、逆転を許した3回のピッチングだ。