野球をしている息子からやる気を感じられず虚無感を憶えている50歳女性に、鴻上尚史が伝えた「息子は人生の大きな瀬戸際にいる」の真意とは
でも、がんばっても夢はかなわないと早めに気付く人もいます。だから、この道でがんばることはやめようと、別の生き方を選ぶ人達です。それが間違っているとか、負け犬だとか誰も言えないでしょう。すべての人には、向き不向きがあるのです。 くりーむ姉貴さん。 これは僕の勝手な想像です。 でも、くりーむ姉貴さんの相談を読むと、僕としては、そう考えるしかないと思ってしまうのです。 僕の想像が当たっていたら、今、息子さんは激しく悩んでいるはずです。「このまま続けていいのか」「続けて可能性なんかあるのか」「どう見ても、悔しいけれどあいつらの方が才能も素材も素質も上だ。俺はどうしたらいいんだろう」 結論は、息子さんが出すしかないでしょう。くりーむ姉貴さんが何か言えば言うほど、よけい、頑なに、心を閉じていくと思います。 だって、自分の人生の大きな夢を諦めるかどうかの瀬戸際なんですから。 朝4時半に起きて作る弁当を残されることが耐えられなくなったら、弁当はやめたらどうでしょうか。息子さんの高校には、食堂とか購買部とかないですか? 「あんたが残すからもう作らない」ではなく「ママ、体調が優れないから早起きできないので、しばらくお弁当はなし」と伝えて、たっぷりと寝るのです。 それだけでも、イライラは少しは収まるんじゃないでしょうか。 もし、息子さんが本当に苦しそうに、練習を休んだり、学校を休み始めたりしたら、「野球部をやめてもいいんだよ」と言ってあげることは必要だと思います。 「私は、あなたが納得して選んだことなら、賛成するから」と付け加えて。 くりーむ姉貴さん、僕はこんなふうに考えます。間違っているかもしれません。でも、息子さんが野球が大好きなら、今、激しく迷い、苦しんでいることだけは間違いないと思います。 【鴻上さんへの相談、募集中!】あらゆる人間関係、組織のなかで、相談者の身に起きている困ったこと、身動きのとれない境遇、逃げ出したい状況など、すべての悩める事態に鴻上尚史さんが答えます。ぜひ、あなたの悩みをこちらからご投稿ください。※投稿に当たっては、注意事項を必ずお読みください。
鴻上尚史
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