名古屋市のエスカレーター条例施行でキャンペーン 「立ち止まって」と河村市長ら呼び掛け
名古屋市でエスカレーターに乗る際、立ち止まることを義務付ける条例が10月から施行された。2日朝には、鉄道駅のエスカレーター利用者らに「歩かない」「走らない」と呼び掛けるキャンペーンが行われた。
埼玉県に続き全国2例目の条例化、罰則なし
正式名称は「名古屋市エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」。エスカレーターの利用者は右側か左側かを問わず、エスカレーターの踏み段上に立ち止まって利用することや、そうした利用をエスカレーターの管理者が利用者に周知することを義務付ける。ただし、罰則や罰金の規定はない。同様の条例は埼玉県に続いて全国2例目、政令指定都市では初めてだという。 施行翌日で初めての平日となる2日朝は、JRと私鉄、市営地下鉄が乗り入れる「金山総合駅」で、市や鉄道会社によるキャンペーン隊が出発式をした。
「なごやかにSTOP」看板背負って乗る隊員も
駅員らが「立ち止まってのご利用を」呼び掛けながら配布物を配ったほか、「なごやかにSTOPしてね」と書かれた手のひら形の看板を背負った隊員がエスカレーターに乗り、その後ろに立ち止まる利用客が続いていた。 自らティッシュ配りもした河村たかし市長は「ぱっと見た感じではだいぶようけ(たくさん)の人が立ち止まっていた。市民が納得するためには、片側を走ったり歩いたりしているときの方が事故は多いと数字で出さなきゃあかん」と指摘。子どもを連れて利用していた女性は「普段は急いでいるときは歩いてしまうが、特に子どもを連れていると危険なので、なるべく歩かないようにしたい」と話していた。 キャンペーン隊は15日まで、地下鉄主要駅を巡回する。 (文・関口威人、動画撮影・中村幸徳/nameken)