愛知県が定めた「学校ホリデー」 名古屋・河村市長は「反対」訴えるも教育長は再参加表明するなど混乱
名古屋市の河村たかし市長は25日、市役所で定例記者会見に臨んだ。愛知県が独自の休校日として定めた「県民の日学校ホリデー」について、あらためて「反対。そんなことやってはいけません」と否定的な立場を示した。一方、この日開かれた市議会の委員会で、市教育長が今年の11月24日を同ホリデーとして休校にすると再参加表明をするなど、市当局内で混乱が生じている。 【動画】名古屋・河村たかし市長が定例会見(2023年9月25日)
「名古屋市は愛知県の植民地ではない」などと反発
愛知県は昨年、県政150周年を機に県が誕生した11月27日を「あいち県民の日」とする条例を制定。毎年11月21日から27日を「あいちウイーク」とし、この期間中の平日1日を県内の公立の小中学校などが休校日にできると決めた。 これを受けて名古屋市教委は本年度、祝日と土日に挟まれた11月24日を休校日とし、4連休とする方針を市内各校に通達した。しかし、河村市長は「中央集権の象徴のようだ」「名古屋市は愛知県の植民地ではない」などと反発。これを踏まえて市教委は今年の11月24日を県のホリデーではなく「市独自の休校日」と位置付け、来年度以降は同ホリデーから離脱する方針を県教委側に伝えた。 河村市長はこの日の会見でも、「県ができた日と2、3日違うだけで県民の日として名古屋市の学校を休校にしてくれと。こんな政治的なことはないんじゃないですか」と不満を表明。市教委の決定を覆した河村市長の言動が教育への政治介入になるのではとの指摘には「休校日は教育委員会が単独で決められることではない。どこが不当な介入なんですか。(県の決定に)しょうがないと思うことが(県による)介入だ」などと主張した。
11月24日は休校にするも県の「ホリデー」かで二転三転
しかし、この日午前に開かれた市議会の教育子ども委員会で、坪田知広教育長は市議との質疑に対して11月24日を当初の方針通り、県のホリデーとして休校にすると表明。委員会の休憩中に河村市長の元へ行き、「混乱をさせないため」などと再度の方針転換について説明をしたという。 これに対して河村市長は「信じられん。異常事態」としたが、教育長の方針転換の理由については「何でこんな180度変わったのか、何があったんだと考えざるを得ない」とした上で、一部の市議がこの問題に関して教育長を密室で詰問したなどとして市議会議長に調査を求める要望書を提出する方針を示した。 (関口威人/nameken)