ディズニーで「走る」イベントが話題!世界一ハマるランニングイベント米国「runDisney」の魅力
大事なのは自己ベストではなく思い出
あらゆるレベルのランナーとウォーカーが歓迎されるrunDisneyには独特のアクセシビリティと楽しさがあり、それがrunDisneyのDNAの中核を成している。自己ベストが出たらすごい。出なくてもすごい。大事なのは、ディズニーランナーというインクルーシブで楽しいスポーツコミュニティの一員であるということだ。「同じフルマラソンを4時間以内に走ったこともあれば、6時間以上かけて走ったこともありますが、自分がランナーであることに変わりはありません」とブルックは語る。 ここにしかないディズニー体験を求めてレースに参加する人もいる。確かにrunDisneyのコースは驚きと喜びでいっぱいだ。カーブの先ではレアなキャラクター(『ピノキオ』のジミニー・クリケットや『王様の剣』のマーリン)が待っているし、最後の直線では聖歌隊による美しいゴスペルが聴こえてくる。そのたびにランナーはペースを落とし、ときには完全に足を止め、魔法のような瞬間を味わうのだ。 「私がレースに参加するのは、ディズニーのキャラクターに会い、唯一無二の体験をしたいからです。営業中のアトラクションにこっそり乗るかもしれませんが、そもそも私は自己ベストを更新するために参加するのではありません」とジェイミー。「一部の人にしか見られないものを見るために参加しているのです」 娘を出産後、「家を出るために」ランニングを始めたというエミリアもジェイミーと同じ気持ち。エミリアは14年前にrunDisneyのハーフマラソンに参加してから一度も足を止めておらず、一年中、米国各地でディズニーおよび非ディズニーのレース(現時点でハーフマラソン150回とフルマラソン40回)に参加している。娘とは短めのレースを走る。これほど経験豊富なエミリアにとっても、runDisneyは「ひと味違う」。 「ふざけた感じは間違いなくありますよ」とエミリア。「他のレースではランナーが真剣に走りますが、ディズニーのレースではランナーがクレイジーな衣装を着ていたり、コースの途中でキャラクターが出てきたり、楽しい音楽が流れてきたりで、どちらかと言うとパーティーみたい。とても気楽な雰囲気です」 でも、米ウェスタン・ケンタッキー大学心理学部の共同部長で、パフォーマンス不安・運動中のマルチタスキング・運動のモチベーションを専門とするスティーブン・ウィニンガー博士によると、こういう楽しいアクティビティはランナーをフィニッシュラインに導く上で戦略的な役割を果たしている。「運動中に体の感覚、ペースやタイムに集中すると、パフォーマンスは上がる傾向にありますが、本人はあまり楽しめませんし、耐久力も低下します。その点、runDisneyは(ランナーの)気を散らすのが本当に上手いです」 ディズニーのパークを走る興奮と特別感には、どんなスマホやランニングマシンも絶対に敵わない。 ウィニンガー博士によると、このようなイベントではランナーだけでなく観客も“社会的促進効果”を得られる。「ニューヨーク、シカゴ、ボストンのような大規模なロードレースの参加者はみな、観客が密集し、大声で叫んでいるエリアではエネルギーとアドレナリンが一気に高まり、喜びが増すと言います」 ジェイミーがrunDisneyのレースで精魂尽きそうになったときも、必ず大勢のディズニーファンが現れて大声援をくれるそう。その人たちを知っているわけではないけれど、その声を聞いていると絶対に最後まで走れるという気持ちになれる。その瞬間、「観客は私の魔法の仲間になります」 エミリアにとっては、パークを入ってすぐのメインストリートUSAで家族や友人が応援してくれている姿を見るのが特別な瞬間だ。昨年のドーピーチャレンジのハーフマラソンでは両親がサプライズをくれたそう。「あの姿には毎回息を飲むほど感動します」 レースを終えたランナーは応援に参加できる。エミリアもレースのあとは最後のランナーがフィニッシュラインを切るまで応援を続けるそう。「他のランナーを応援できるのは本当に特別なこと。ディズニーのレースのあとは、大体いつも笑いすぎで顔が痛いです」 ※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。