「私の顔写真がテレビで“木嶋佳苗死刑囚として紹介”された」…当事者が番組プロデューサーを直撃!
もし私が声をあげなかったならば?
――「女子SPA!」運営元の出版社を通じて、今回の件について一報があった際はどう思われましたか? 「まず、謝罪しなければいけないと思いました。放送により誤解を招くような結果になってしまったのであれば、すぐに映像を確認して、経緯の確認と原因を突き止め、お詫びを対外的に発するべきである、と。 その上で、もちづきさんに直接会ってお詫びしたいとも思いました。テレビによって被害を受けるなんて、あってはならないことなんです」 ――もし今回、私が声をあげなかった場合でも、何らかの対処は行われたのでしょうか? 「放送中あの写真を見た時に、確かに私にも違和感はあったと思います。しかし恥ずかしい話、それが誤認を招くとまで考えが至らなかったというのが、正直なところです。 また、実際に生放送に臨んでいたスタッフや出演者からも特に反応がなかったことから、もちづきさんからご指摘がなければすぐには対応できなかった可能性が高いと思います」 ――ということは、過去にこういった形のミスが起こっていたというのも有り得る話なのでは? 「このような体制で制作を続けていたのは事実ですので、同じようなパターンのミスが見過ごされていた可能性は否めません」 ――SNSや番組内での謝罪が出た際、幾つかの媒体でニュースとして取り上げられていました。「おかしいと思った」などいくつかコメントが付いていましたが、TOKYO MXの視聴者窓口には、そういった声は届いていましたか? 「今回についてはなかったと聞いております。しかし、来なかったから良い悪いではなく、逆に視聴者がそのままスッと違和感を受け取ってしまったことの方が問題のように受け止めています」
生放送だから…と「声があげづらい」空気
――現段階で再発防止のために行っていることを教えてください。 「『日刊BINKANランキング』コーナーにおいて、チェック体制の強化はすでに行われています。記事を扱う際に、いくつかの作業が平行して行われていた実態があるので、それを統合する形で不自然なところがないか、私や総合演出が責任者として確認することにしています。 かつ、現在は番組の中で実作業に関わっている人間とは別の第三者を置くことでミスを回避する業務フローに変更されています。記事を配信している媒体社さんの通達どおりに絵割りが行われているか、確認する人間が曜日担当ディレクターとは別に置かれています」 ――業務フロー以外の意識的な部分で変えていくべきだと感じていることは? 「オンエア中に気付かなかったのか、放送中に対応できなかったのかという部分に関わる話なのですが。やはり、今回の件でそもそも放送内容に違和感があったとしても『声があげづらい』という環境自体が問題ではないかと思いました。 生放送の番組なので、放送直前や放送中にはもう対応できない、間に合わないという空気が存在していたのでしょう」 ――生放送だから流れてしまったものは致し方ないという考えがあった、と。 「はい。生放送の無意識の圧力、それがスタッフ全員の中にあったと思います。何か異変に気付いた時、ましてやそれが誰かを傷つけるような結果になる事態を招くものであれば尚更(なおさら)ですが、オンエア中の番組内で処理をしていかなくてはなりません。 この意識改革はすぐにでも行うべきと考えています。今回のことを経て何も感じられない人間は、番組制作には向いていないとも思います」