うまいラーメンを作るだけでは「1000円の壁」は越えられない… 亀戸の若手店主がこだわる“味5割・伝え方5割”
日本に数多くあるラーメン店の中でも、屈指の名店と呼ばれる店がある。そんな名店と、その店主が愛する一杯を紹介する本連載。今回は埼玉を代表する名店「らーめん かねかつ」の店主・大友勝さんの愛する名店「麺 ふじさき」をご紹介する。 【写真】醤油のコクとキレがしっかり伝わる…!絶品ラーメン JR総武線・東武亀戸線の亀戸駅北口から徒歩10分。亀戸天神社の近くに至高の醤油ラーメンがいただける人気店がある。「麺 ふじさき」だ。「食べログ」では3.83点を誇り、亀戸・平井エリアのラーメン店では堂々の1位に君臨している(2024年12月5日現在)。 店主の藤﨑みづきさんは茨城生まれで、高校進学にあわせて上京する。部活で柔道に明け暮れていたが、たまの休みを利用して東京のラーメンを食べ歩いていた。ちょうど品川駅のラーメン集合施設「品達」がブレイクし始めた頃、で「なんつッ亭」や「つけめんTETSU」の行列に並んではラーメンを食べていた。豚骨魚介のつけ麺が大好きで、「大つけ麺博」にも通っていたという。 醤油ラーメンの魅力に気づいたのは、駒沢オリンピック公園で行われていた「東京ラーメンショー」がきっかけだ。東北のラーメン店が出店していて、そこで食べた醤油ラーメンに衝撃を受け、ハマっていった。その後神奈川の大学に進学したので、「麺や食堂」や「いちばん一番」など名店を食べ回るようになった。 この頃から将来はラーメン屋になりたいと考えていた藤﨑さんは、大学で経営学部に入学する。学生結婚をしたあと、まずは一度就職しようと商社に入った。ここで2年間社会人としての型を身につける。その後、妻の実家のある船橋に移り住み、船橋の人気ラーメン店「まるは」で働き始める。24歳の頃だった。 「将来独立する時は絶対に清湯系(あっさり系)のお店をやろうと思っていましたが、いろいろなラーメンを出しているお店でラーメンの大枠を学ぼうと『まるは』さんに入りました。レシピをまねしてもそこの2号店になってしまうので、あくまで自分の味は自分で作ろうということで基本を学ぶために修行に入りました」(藤﨑さん)