自公国のガソリン税「暫定税率廃止」合意に歓喜の嵐! 次に狙うは「自動車安全特別会計」6000億円“借パク問題”
《これは始まりに過ぎない》《やっとだよ》ーー。 SNS上は自動車ユーザーと見られる人たちの歓喜の投稿で溢れている。自民、公明、国民民主3党が11日、ガソリン税に上乗せされている暫定税率の廃止で合意したと報じられたためだ。 【写真】玉木代表の失速で自民シメシメ? 国民民主が要求した「年収の壁」「ガソリン減税」ウヤムヤ先延ばし 暫定税率は1974年に導入され、本体価格のガソリン税(1リットル当たり28.7円)に加え、同25.1円(軽油は17.1円)が上乗せ徴収されてきた。 本来はレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格が3カ月連続で160円を超えた場合、暫定税率を停止する「トリガー条項」があるのだが、東日本大震災の復興財源確保などを理由に発動が凍結されてきた。 このため、国民民主は以前から「トリガー条項」の発動(凍結解除)を要求。JAF(一般社団法人日本自動車連盟)も2022年2月、凍結解除を求め、「ガソリン税に消費税が課税されている『Tax on Tax』という不可解な仕組みを解消すべき」とする異例の声明を発表している。 ■現在のペースで積立金の取り崩しが続くと、2038年度には積立金が枯渇? 暫定税率が長い間、廃止されなかった一因は巨大与党の力を背景に財務省などが首を縦に振らなかったからだろう。ところが先の衆院選で与党は議席を減らし、野党の意見も取り入れる必要が出てきた。実現に向けた具体策は今後とはいえ、同省も3党合意を受け入れざるを得なくなるだろうとの見方が強い。 喜ぶ自動車ユーザーがさらなる“標的”として挙げているのが自賠責保険を扱う「自動車安全特別会計」を巡る6000億円の“借パク問題”だ。「自動車安全特別会計」は、自動車ユーザーから徴収した自賠責保険料の運用益を活用した積立金のことで、これを原資に交通事故で重度障害を負った被害者を対象に様々な救済措置が講じられている。 だが、この特別会計から1994~95の両年度に渡って約1兆1200億円が一般会計に貸し出されたものの、22年度末時点で6000億円が繰り戻されていない状態になっているというのだ。 現在のペースで積立金の取り崩しが続くと、2038年度には積立金が枯渇するとの試算もあり、早急な繰り戻しが必要。しかし、国会会議録を見る限り、最近の繰り戻し額は毎年13億円~65億円(2019年度~24年度)とそう大きな金額ではない。 ガソリン税も一般財源化されて使途があやふやになったが、「自動車安全特別会計」のカネも同じ。いったん財布を握ったら屁理屈をこね上げて離さないのが財務省なのだ。 《次は自賠責特会のカネ》《借りているカネを返せ!財務省》 ネット上では自動車ユーザーの声が広がっている。 ◇ ◇ ◇ ガソリン税の暫定税率廃止は実現するのか。●関連記事【もっと読む】で『どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明』、【さらに読む】で『与党税制改正大綱に「トリガー条項」めぐる記述なし…《ふざけるな》とSNSで怒りの声が再燃』を取り上げている。